ケイズデザインラボの原雄司氏
3Dスキャナ「VIVID9i」でヘルメットを取り込む
FreeFormのインターフェイス部分。先端のペンで操作を行う
トライペックスによる3Dプリンタ用カラーチャート
DICOの3Dプリンタによる出力の一例
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9月14日、クリエイティブ市場向けの総合商社Tooは、東京・九段下のベルサール九段で「Tooプロダクトデザインセミナー/目的にかなった3Dデジタルシステムの構築」を開催した(参加費無料)。
これは3Dスキャナ、モデリングツール、3Dプリンタの連携によるモノ作りの上流工程のワークフローを紹介するもので、豊富な事例とともにそのシステムの利便性が語られた。
セミナーは4部構成で、まず第1部と2部ではケイズデザインラボの代表取締役原雄司氏が登壇。同社の紹介とともに3Dスキャナ「VIVID9i」と触感デバイスモデラー「FreeForm」による形状の取り込みから編集までをデモ。実際にヘルメットを10分程度で取り込み、FreeForm上で形状の編集を行った。
原氏はこういったリバースエンジニアリングシステムによる「リデザイン」をアピール。元となる形状から新しいデザインを展開していく手法による生産性、合理性を語った。
第3部はDICOによる最新のフルカラー3Dプリンタ「ZPrinter450」の紹介。工具メーカーマキタやパチンコメーカー京楽の事例とともに、3Dプリンタの有用性や可能性を述べた。
最後の第4部では上記のシステムを導入した製版印刷会社トライペックスの新規事業部事業部長、長誠司氏による同社の提供する3Dデジタルサービスの紹介。同社は製版印刷会社らしく、3Dプリンタによるフルカラーのモックアップにカラーマネージメントの概念を導入。よりデザイナーのイメージに近いモックアップの受注制作を提案した。
3Dスキャナ、モデリングツール、3Dプリンタを一気に導入する場合、そのイニシャルコストはリーズナブルになって来たとは言え合計でまだ1,000万円を下ることはない。それだけの投資に見合うシステムであるのかどうか、来場者の多くはそれを見極めるべく熱心に聞き入っていたセミナーであった。
※なお、pdweb.jpでは10月期の特集として、上記のシステムを含め、モデル制作の最前線レポートを予定している。入力から出力まで、最新のツールやワークフローを紹介していくので、こちらもご期待ください。 |