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このコラムページでは、若手デザイナーの皆さんの声をどんどん紹介いたします。作品が放つメッセージだけではない、若手デザイナーの想いや目指すところなどを、ご自身の言葉で語っていただきます。 衣装デザイナーの外林健太と申します。ご紹介いただいた澤田さんとは武蔵野美術大学の同級生で、同じゼミでした。よく作品について熱く語り合った覚えがあります。小柄な彼女から作り出すパワフルな作品にいつも感化されていました。
●アーティストの衣装デザイン 私の仕事は音楽系の中でもバンドではなく、歌って踊ってライブをする一般的にアイドルと言われるアーティストの衣装です。デザイン上考えなくてはいけないことがあり、そのことについてもう少しお話ししたいと思います。 まず、仕事をいただく時点では、新曲の発表に伴ってCDジャケット写真に使用する衣装、アーティスト写真に使用する衣装の話から始まります。事務所のマネージャー、プロデューサー、レーベルの担当ディレクター、ジャケットデザインを担当するアートディレクターの間で1つの方向性、コンセプトが決まります。 その表現に向かって衣装デザインを考えます。この衣装が発表された際に一番出回るのは写真(グラフィック)です。なので、平面で着こなした良さを追求したデザインにします。衣装も1つの表現材料だと考えているので、アーティストを邪魔しない程度に衣装デザインにも豊富な情報量のあるものを考えています。雑誌や広告で一目見ただけで印象に残るものを目指しています。 その後、その衣装を着てライブを行います。そのためには、踊ることのできる動きやすいデザイン、動いたときにも印象に残るように背面にも気を使ったり、動きのある布を仕込むなどのデザインをしなければなりません。 シルエットや形のデザインを考える上で、平面と動きという2極を混じり合わせたものを作り上げないところにデザイン力がかなり必要になると思っています。実際は、ジャケット写真やアーティスト写真も私に撮らせていただくことが多く、アーティストのビジュアル表現においては、充実した仕事をさせていただいております。
次回は、私の高校時代仲良くしていた後輩を紹介したいと思います。卒業後関わりはなかったのですが、SNSのおかげで現在では建築、プロダクトの仕事で活躍していることを知り、関西の田舎育ちの私のとっては、地元の知人が活躍しているのが嬉しく、このリレーを回しました。 外林健太/Sotobayashi Kenta 株式会社LEAP所属。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。衣装デザイナー兼フォトグラファー。舞台衣装、音楽アーティストの衣装、オフィシャル写真、グラフィックデザインなど。
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