┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第35号・・・2013/2/22       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第35号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第21回:理事長は30代女性 ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第11回:福嶋賢二 /KENJI FUKUSHIMA DESIGN ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第21回:理事長は30代女性 ○学校を作りたい リクさんは、全寮制の学校を作るべく、毎日奮闘している。彼女は海外で育っ たが、全寮制の学校に通っていた。そしてそのような教育を受けられたことを 彼女の親に感謝していた。彼女自身が母親になったとき、日本にいながら子供 たちに同様な教育を受けさせたいと思った。ところが、英語で教育を行う全寮 制の学校は日本にはなかった。 なければ作ってしまおうと賛同者を募ったところ、彼女の趣旨に賛同した人々 が大勢集まった。そして彼女が振る旗の下、仲間が集まり、徐々に組織が固ま り、今では文部科学省の認可を受けた学校法人になっている。土地の取得も終 え、現在校舎と寮を建設中である。来年の開校に向けて準備を進めている。 つい最近までリクさんはてっきり同世代だと思っていた。しかし僕よりかなり 若いことが判明してビックリした。学校法人を経営する彼女は、各界から設立 趣旨に賛同して集まった評議員や理事を相手に大事な議事を決め、議論をまと め、結論を出して実行に移している。通常は老獪なグレーヘアの人物が行う仕 事である。彼女は30代にして理事長なのである。 ○寮生活 僕も高校の一時期と大学を寮で過ごした。妹も弟も両親が離れて海外の全寮制 の学校で育った。そういった親の方針で育ったので、リクさんの言っているこ とはよく分かる。妻はいまだに反対しているが、自分の子供たちも将来は全寮 制の学校に通わせようと思っているのは、そういった環境を与えたいと思うか らだ。 むろん寮生活には、寮生活なりのデメリットがある。共同生活を送らなければ いけないので、いろいろ人間関係やら、寮則をなどなにかとストレスの原因と なるものが多い。しかし教室で授業を受けている時間と寝ている時間以外は自 由になる時間が毎日10時間近くあるので、好きなことに没頭するには、実は適 した環境だと常々感じていた。 それが、親の目からみて好ましいかどうかは別だが、子供が好きなことに没頭 できる環境というのは、子供にしてみたらうれしいことなのではないだろう か? それが、レゴで遊ぶことであれ、おしゃれに現を抜かすことであれ、何 でもかまわない。70年代にスーパーカー消しゴムに夢中になった子供が、今日 大人がなって自動車のエンジニアになったり、ロボットが出てくる漫画やアニ メを見てわくわくしてロボット開発者になったり、SFに夢中になった結果、宇 宙飛行士になったりする人たちを突き動かしているのは、先生が授業で教えた 内容ではない。子供たちが好きで自分で選んだことなのだ。 カリキュラムというのは、文部科学省が定める指針に基づいて作られている。 親や社会が必要だと考える内容を体系化して効率よく学べるように整理されて いる。これ自体に反対する気持ちは毛頭ない。僕が気になっているのが、親も 先生も及ばない、子供たちが選ぶ好きなことを追求する内容に、もっと役に立 つノウハウというものがあるなら、それは伝えられているのだろうかというこ とである。 たまたま子供が好きな対象が、カリキュラムの中にある場合は、学業の成果と なって現れるので優等ということになる。しかしそうでなかった場合、その子 供が好きで行っていることがどれだけ優れているかは、評価することは本人に も分からない。それはずっと後になって、実業なり、スポーツだったり、趣味 の世界に彼らが身を置いてから初めて明らかになるのである。 ITスキルであれ、時間管理スキルであれ、プロジェクトマネジメントスキルで あれ、社会人になって学ぶことの子供バージョンとでもいうのだろうか? 科 目にするまでもないが、人生において重要なスキルというものは、子供のうち から会得してもよいと思うのである。しかし、こういったスキルというのは、 学業として評価することは難しい。 ○一万時間の法則 マルコム・グラッドウェルの本に「アウトライアー」という本がある。その本 には、抜きん出て優れた業績を出せる人は、必ず1つのことに1万時間の時間を 費やしていると書いてある。好きこそ物の上手なれ、ということわざがあるが、 そのことわざを定量化したら、上手になるには1万時間必要となるということ だろうか? 毎日4時間修練に打ち込んでも1万時間に達するまでには7、8年かかる計算だ。 仮に毎日10時間かけると3年で1万時間になる。 これを全寮制の学校の生活に置き換えてみると、面白いことが分かる。1日24 時間のうち、授業に6時間、睡眠に6時間、食事に2時間かかったとする。学生 にはその他の自由時間がちょうど10時間ある。つまり理論的には3年間、全寮 制の高校に通うとアウトライヤーになれる可能性がある。 もし、この10時間が無駄に使われていたとしたら、実にもったいないことでは ないか。子供たちが先生に強要されることなく、自由に選んでいる内容は親も 先生もおぼろげにしか把握していないので、子供が勝手に技能を獲得でもしな い限り、才能の開花をみすみす逃している可能性すらある。子供たちは、高校 生である限り、かならずこの10時間を何かに使っている。そしてかなりの確率 で子供たちが関心のあることにその時間が使われているはずなのである ○次回の理事会の議事 リクさんは、リーダーシップとデザインシンキングはカリキュラムに乗らない けれども、子供のうちから教えておきたいと常々言っている。是非、実現して もらいたいし、そんな学校には自分の子供も通わせてみたい。 デザインシンキングをどう定義するかは、議論が分かれる。仮に、問題を発見 して、解決策を考えて、実行に移すプロセスの一種だと考えたとしよう。デザ インシンキングができる子供は、好きなものを追求する際に、きっと役に立て てくれるのではないかと思うのである。ラピッドプロトタイピングや、コンセ プトマッピングのスキルを会得した子供のほうが、上手にやりたいことの概念 を整理して、時間や外部のリソースを効率的に活用できるはずなのだ。つまり 子供たちがデザインシンキングのスキルを身につけていれば、大人が達成でき るラベルの高みに彼らのもちあげることができる。同じ1万時間を使うにして も、こういったアプローチを用いたほうが、思考の昇華や才能の開花を促すこ とになるのではないだろうか。 と、こんなブレインストーミングをしたところ、リクさんは、このトピックス を次回の理事会にかけてくれることを約束してくれた。 30代理事長は、その考え方の柔軟性と行動力の面で、僕がもっていたこれまで 理事長のイメージを確実に塗り替えている。 西山 浩平 Linkedin : Kohei Nishiyama Twitter : Kohei Nishiyama ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第11回:福嶋賢二 /KENJI FUKUSHIMA DESIGN 独立して今年の4月で丸2年になります。独立前から知り合いのデザインプロデ ューサーの方にお声をかけていただき、いくつかのプロジェクトに参加させて いただきました。そこでデザインしたものが次の仕事の機会を生み、またその デザインしたものが次の仕事を生みといったように、ご縁により前へ進むこと ができています。 ○心掛けていること 滋賀県近江八幡市生まれの私は、特に実家が商売をやっているわけではないの ですが、近江商人の「売り手よし・買い手よし・世間よし」の“三方よし”で 知られる仕事への取り組み方を大事にしています。さらに普段仕事をする上で 心掛けていることが3つあります。それは「クオリティの高さ・フットワーク の軽さ・レスポンスの早さ」です。 1つ目の「クオリティの高さ」。ものづくり企業と共に企業の強みを活かした 商品開発を行う中で、まずは企業の強みを分析し、端的に表せる言葉にします。 そこで改めて企業の強みを認識します。強みにアイデアを加えることでデザイ ンを磨き、企業独自のクオリティの高い商品開発を目指しています。 2つ目の「フットワークの軽さ」。現在大阪を拠点に活動をしておりますが、 クライアントさんの半数は東京です。また、ものづくり企業の産地へは全国各 地、実際に現場を訪れます。現場で気づく発見があり、現場の様子や空気感を 感じとることができます。また、クライアントさんに直接会った時の会話や表 情から感じることもたくさんあり、とても重要です。何より工場の何とも言え ぬ雰囲気が好きで、初めて現場に訪れる時はいつもワクワクしています。 最後に「レスポンスの早さ」。これは「クオリティの高さ」にも関わってくる ことですが、レスポンスを早くすることで、必然的にクライアントさんとのや り取りが多くなり、精度の高い濃密な情報共有ができ、よりブラッシュアップ されクオリティの高いものづくりができると考えています。また、突然何かし らのミスが起きた場合でも、レスポンスが早いことで大きな問題になる前に回 避できるからです。 ○最近のこと 今年の2月に開催された「ギフト・ショー 春2013」に発表いたしました、「dan sai works」という東京・墨田区にある株式会社小林断截様のオリジナル商品 ブランドの立ち上げを、ロゴ、パッケージ、グラフィック、プロダクトなど、 トータルでデザイン、ディレクションさせていただきました。 株式会社小林断截様は、断裁加工はもちろんのこと多種多様な紙加工・製本加 工が得意な会社です。 http://www.original-memo.jp/ このプロジェクトは、「すみだブランド戦略ものづくりコラボレーション」で 開発しました。 http://sumida-brand.jp/ また、4月にミラノで開催される国際家具見本市「Milano Salone」に出展しま す。 ○今後のこと まだまだ日本でのデザインの認識は低いと思います。これからデザインが浸透 していない分野を開拓し、大げさかもしれませんが、デザインの力、デザイン の素晴らしさを知ってもらいたいと強く思っています。また、神社のトータル デザイン・ディレクションは、今後取り組みたいプロジェクトの1つです。 KENJI FUKUSHIMA DESIGN Creative Director | Designer | 福嶋賢二 生活用品、家具など、プロダクトデザインを中心にパッケージデザイン、グラ フィックデザイン、インテリアデザイン、展示会の会場構成など総合的なアプ ローチからデザイン、ディレクションを行う。2013年から大阪にあるインキュ ベーション・スペース「シゴトバBASE」を活用する。 http://www.kenjifukushima.com シゴトバBASE http://www.shigotoba-base.com ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 オフィスの来客用にピート・へイン・イークのデザインしたカップ&ソーサー を買った。ぽってり、ゆったりした感覚がやさしい。自分でもときどき使おう かと思う。そうそう、最近は朝出社したら、THERMOSの広口の保温ポットに、 直接紙ドリップで1リットル以上のコーヒーを一気に淹れている。これだと日 が沈む頃まで温かいコーヒーが飲めるので、今わりとこのスタイルが気に入っ ている。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.35 2013年2月22日発行 2,700部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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