┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第21号・・・2011/12/26       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第21号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第8回:水は最も抵抗の少ない道を選ぶ ●上海的モノ生活 第15回:上海で「乗る」! ●編集長のミニコラム カリスマ亡き後の世界 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第8回:水は最も抵抗の少ない道を選ぶ ○サンフランシスコ、7:00PM ベッツィは先にレストランに到着していた。彼女は黒のタートルセーターを着 ていた。その日はとりわけ風が冷たく感じられ、僕もホテルを出た後、あまり の寒さにわざわざ上着を取りに部屋に戻ったほどであった。スーツを着ている のはそのレストランでは僕1人だったので、ベッツィはすぐに僕を見つけること ができた。誰の目から見ても僕がローカル出身ではないのは明らかだった。サ ンフランシスコにはスーツを着て打ち合わせに来る街のIT関係者はきっともう いないだろう。 ファストカンパニーの創業者であるアラン・ウェバーを通じてベッツィと会う ことになった。アランから詳しくベッツィのことを聞いていたわけではなかっ た。しかしアランが会っておいたほうが良いと紹介をうけた人との時間が無駄 になったことは一度もなかった。他方でどんな話を期待していればよいのかも 分からなかった。どうやらそれはベッツィにとっても同様だったらしい。しか し彼女にとってそれは僕ほど問題ではないようだった。 軽く自己紹介を済ませると、僕たちはすぐにテーブルに案内してもらいカリフ ォルニア産の赤ワインを頼んだ。とにかく何か身体を温めるものを口にしたか った。店の中は程よく暖かく気持ちがよかった。硬直した筋肉がほぐれてくる のを感じながらお互いの仕事の紹介を始めることにした。ベッツィはコンサル タントとして生計を立てているだけあって話が上手だった。語彙は豊富だが文 章は短い。もともとは広告代理店に勤めていたと聞いてなおさら納得がいった。 しかし彼女が手がけているコンサルティングの内容は1回の説明では把握でき なかった。よほど僕にその分野の知識が欠けていたのに違いなかった。 ○計画を実行に移せない人々 こちらの知識のなさを詫びて、もう少し詳しく説明してくれるようにお願いを した。2回目の説明で少し理解が深まったものの依然としてピンとこなかった。 大まかに説明すると、彼女のコンサルティングサービスというのはクライアン トが計画を立てたら実行に移せるような気持ちにさせることだという。世のマ ネジャーの多くは計画の実行が不可欠だと認識しているのになかなか実行に移 せずにいるということは分からないでもない。そうした計画を前に立ち往生し ているマネジャーが解決策を求めてやってくるのだという。一種のカウンセリ ングかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。 しかし夏休みの宿題を終わらすために尻をたたいてくれる母親役のようなサー ビスに、人は対価を払うものなのだろうか? そのようなサービスだけで、本 当にベッツィは生計を立てているのだろうか? 典型的なクライアントの大企 業の商品開発者や起業家は、そもそも計画を実行に移せるから、投資家からお 金を預かって事業を展開しているのではないだろうか? 疑念が次から次へと 首を持ち上げ、頭の中でとぐろをまく。 しかし彼女は20年近くこの商売を続け、ほとんどがリピーターということだか らそれなりの価値をクライアントに提供しているのだろう。どうやら彼女のク ライアントは、ビジネスプランがあらかた固まったがなかなか行動に移せない で時間を費やしてしまっているときに、彼女を訪ねてくるらしい。そして彼女 はその問題を解決することで対価をもらっているプロフェッショナルなのだ。 ○本当の計画実行のエンジンは怠け心!? つまり彼女に会えば、クライアントは長らくほったらかしにしていた計画に着 手し始めるということだ。それがビジネスの成功に不可欠ならコンサルティン グフィーを払うのも分からなくはないが、どうもまだ自分がそのサービスを利 用している状況を想像できないでいた。心理学を応用したいくつかのプラクテ ィスを重ねることで、深層心理に潜む行動に移せない状況を改善していくとい う説明もなんだか胡散臭い。僕がサービスとして素直に話を聞けない分野の典 型的なサービスだ。 しかし、CUUSOOのアドバイザリーボードを務めるアランは僕たちのビジネスプ ランを高く評価してくれている一方で、このところ進捗が遅々としてことをよ く知っていたし、アランが彼女に僕を紹介したくなった気持ちも想像できたの で、おとなしく話を聞くことにした。丁度タイミングよく赤ワインが届いたの で、反論したくなる度にグラスを口に運ぶことにした。 ベッツィの持論は、どんなに中身が詰まっていてもそれだけでは計画は計画通 りに進まないという。つまり、計画を進めるのは計画を進めなければという義 務感や精神力でもなく、まったく関係のない自分が好きでたまらない、ちょっ とした日々の寄り道的な活動だという。極論すると、漫画を少し読む、旅をす る、おいしいコーヒーを飲むといった、小さな幸せを感じる、ともすれば怠け 者の自分がほっといてもとってしまう行動とそれを行ってしまう行動心理が計 画を進める原動力なのだといっているに等しい。それはどういうことなのか!?  怠けたほうが、仕事が進むということでもあるまい。ワインをムスッと飲ん でいる僕の横顔を見ながら、彼女はこのサービスを始めるに至ったいきさつを 話してくれた。 ○計画を実行に移せなかったベッツィ 50代前半の彼女は1人息子のジョンを大学に送り終えて、今は自分で所有するサ ンフランシスコの一等地にある高級アパートに住んでいる。しかしもともと財 産を持っていたわけではなかった。20年前に独立したときは、収入も限られて いて子供を育てあげられるかどうか自分でも分からなかったという。ともすれ ば、数社しかないクライアントから継続の注文が来なくなってしまうのではな いかという強迫観念に毎日際悩まされて、毎日を生きるのが怖いぐらいだった とさえいう。 子供の学費を稼がなければという思いが募り、彼女はクライアントを開拓する 計画を立てるが、既存クライアントの仕事がおろそかになることを恐れて、怖 くて新規開拓のために時間を割けない。そして、そのままずるずると時間が過 ぎていくにしたがって、彼女の苦悩は深まっていくという悪循環のプロセスか ら長らく抜け出せないでいた。 彼女のコンサルティングサービスの原点は、彼女自身がそのような状況から脱 するために使ったいくつかの人間行動学の原理を応用したトリックだという。 悪循環の真っ只中で彼女がすがるようにして読んでいたのが、人間行動学や心 理学の本だった。そしてそのときの彼女の心を捉えたのは、習慣が自己暗示を 人間に与え、それがその人物のあり方を決めてしまうという考え方だったとい う。彼女はその原理を逆手にてって習慣を活用して、自己暗示を自分にかけて みた。 ○現実逃避先にヒントがある とにかく、「こうあるべき」とか「何々をしないと」といった常識を一旦は無 視することをしたという。その代わりに、「何々をしなければならないけど、 ちょっとさぼってこれをしよう」という、現実逃避先に彼女はヒントを探した。 頭ではなく、心が知っている嬉しいという感覚を呼び起こしてくれる何気ない 活動をリストにしてみた。 例えば、「たまたま乗った地下鉄の車両を降りたら、目の前がエスカレーター だった」「家のもっともそばのカフェの店員が自分の好みを覚えてくれていて、 いつものですねという一言で、好みのドリンクを出してくれた」「隣のスーパ ーで見たチーズが、たまたま帰り際によったデリではセールになっていて半額 で購入できた」などの些細なことだけど、嬉しくなったタイミングを記述して おいた。 そして、嬉しさを求めてついつい足しげく通う場所や、繰り返し行っているこ との前後に、やらなければいけないことを、さりげなく差し込んでいった。つ まりついつい現実逃避のために繰り返して立ち寄るお店で計画の実行に必要な 小さな作業を狡猾に組み合わせていくことで計画を進めていくようにしたのだ という。計画に着手できないでいるときは計画を小さな作業に小分けに分解し、 嬉しいと思う寄り道とそれとなくカップリングするように毎日の行動を設計し 直した。そうすると、不思議と自分でも気が付かないうちに作業が進んでいる という状況を作り出せたのだという。 当然かもしれないが、そのような行動をとり始めたばかりの彼女は、しょっち ゅうカフェにいき、意味のないドライブをし、ウインドウショッピングを繰り 返し、掘り出し物を探していたという。その間彼女の脳みそは楽しいことをし ているが、その前後に小さく小分けした仕事をこなすようにしたので、彼女の 気持ちは楽しいことをしているという印象しか残らない一方で、仕事は少しず つ前進していったという。そしてそういった毎日の積み上げが彼女のビジネス を成功に導き、その成功体験が多くのクライアントを彼女にもたらした。 ○自分が小さな喜びを見出している状況を発見する 「こまめに自分にご褒美を与えることですか?」と聞くと、そうではないと答 える。彼女が教えてくれたのが、人間の行動はもっとも抵抗の少ない方法を取 る。甘いものを買う、旅に出る、セールで掘り出し物の洋服を買うといったこ とは、あくまでも1つの事例であって、ポイントは、水が流れるときのように気 持ちを扱うということであった。 水は重力に従って、下へ下へと向かう。同じように心も頭で考えたこととは別 についつい選んでしまう性分や癖のある方向へ向かう。ここで、鍵となるのは ついつい選んでしまう性分や癖がもたらす「志向」だ。ストイックに心を縛り 付けても長続きしないし、結局は好きなものに時間を奪われてしまう。 ベッツイに会うまでは考えたここともなかったが、実は私たちの本性は、普段 張り巡らしている想いと密接につながっている。私たちの行動はそれが良いも のであっても悪いものであっても、強く願っていたり恐れていたりすることに 引き寄せられる。小さなことに喜びに喜びを覚えたりするのは、その小さなこ とに、反応する自分があるからだ。そしてその反応をつぶさにメモしていくと、 実はパターンがある。ベッツィのコンサルティングサービスはそうした行動を 規定している習慣を計画の実行につなげていくツールを提供することにある。 彼女は少しでも状況にスタックすると散歩に出る、そこに彼女は喜びを見出す。 そしてそのパターンを利用して、常識では旅に出かけるタイミングでなくても 心の赴くままに旅に出かけ、そして旅に出るときに仕事を行うようにしたとい う。聞けばパブロフの犬のような条件反射に近い話だ。何に自分が喜びを見出 すかを知っているのと知らないのとでは、動けずにいるときに自分の精神状況 をゴールに向けてドライブできる距離が変わるのだ。継続して事業を続けるに は好きなことを組み合わせることが大事なのは分かる。大統領のように仕事を する人こそ王様のように遊ぶというが、王様のように遊んでいるときに大統領 のような仕事を上手にこなしている人のこと指していうのかもしれない。 ○好きこそものの上手なれ 昔の人は上手にこのことを表したものだと思う。 地面を伝って流れる水は障害物にぶつかれば左右に活路を見出す。右に行って も左に行っても活路が見出せない場合は、水がたまって障害物を乗り越えられ るまで待つ。 自分の精神が本当に求めていることに正直に従うことでしか、遠くへは行けな い。 もしゴールがはるか遠くにあるのなら、自分の精神力だけではそこにたどり着 けないだろうとベッツイは断言する。自分の精神力など所詮限られており、計 画を作った知性と同様の優れた知性で怠ける言い訳を簡単に作れてしまうだか ら、というのがその説明だ。禅僧のような彼女の説明にひざをポンと打った。 そうなのだ、自分や計画を作ると同じだけの力で言い訳を作れてしまうのだ!  だから自分だけの力だけでは時々立ち往生するのだ! 自分の知性以上の力 を活用するには、知性を打ち負かす心の力を活用する以外遠くには行けないの だ。 ぼくはベッツィのンサルティングサービスをお願いするかどうかは分からない。 でもベッツィのような問題を解決する話を聞くのは楽しいことだった。ディナ ーが終わる頃には、最初はいぶかしげに聞いていた自分が、意図せず嬉しい気 分になっているのを発見していた。アランはまたしても、その場にいなくても 状況を前進させてくれた。 西山 浩平 Linkedin : Kohei Nishiyama Twitter : Kohei Nishiyama ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●上海的モノ生活 第15回:上海で「乗る」! 稲吉実菜子/フリーライター 「目的地は見えているのに歩くとなると遠い」。これ、上海でよく実感するこ と。街のスケールがさすが大きいというか、目指す場所までひたすらてくてく 歩くということが日常で少なくありません。そこで自分の足以外に頼れるのが 公共の足なわけで、上海は移動手段が充実しているとても便利な街でもあるの です。 ○ 交通費は東京の5分の1? 上海の交通手段は、空港まで7、8分で着いてしまうリニアモーターカー、何か とお騒がせの高鉄(新幹線)に地下鉄、バス、タクシー、白タクもしくは白タ クならぬ白バイク、はたまた後部に座席を設けた手作り感満載の改造スクータ ーなどなど、日本より断然バラエティ豊かです。 しかも、運賃が安いのが最大の魅力で、たまに東京に帰省するとPASMOにチャ ージしたお金がどんどん減っていくのに驚かされます。例えばリニアモーター カーでさえ空港まで片道約610円、タクシーの初乗りが約170円、地下鉄に至っ ては初乗り約25円、と東京の交通運賃の5分の1くらいでしょうか。 物価が違うので当然とはいえ、とくに地下鉄は万博を境に一気に路線が拡大さ れ、どこへでも行けるほど充実しています。渋滞が激しい市の中心ではやっぱ り移動手段の要は地下鉄のよう。 ○地下鉄車内の中国式ルール 上海に引っ越してくる前は正直な話、勝手な先入観で古びた車両と薄暗い構内 をイメージしていましたが、実際は大違い。構内には到着予定時間を知らせる モニターが完備され、さらに路線によっては安全対策の自動扉が設置されてい るので、銀座線のホームよりよっぽど完備されているかも? 車内も万博以降に導入された路線は抵抗なく乗れる清潔さです。ただし、国が 違えば車内の様子はやっぱり異なるもの。以前に暮らしていたNYの地下鉄では 即興バンドもしくはダンスあり、スピーチあり、とパフォーマンス系でしたが、 上海にも上海ならではの車内風景がもちろんあるわけで。毎日通勤ラッシュの 時間帯に地下鉄を利用している内にそんなあれこれが見てとれるようになりま した。 まず、飲食に関してとっても鷹揚。朝食を自宅で食べる習慣が少ないので、路 上で買った饅頭などを持ち込んでいる人がとても多く、なかには車内で朝食を 済ませている人もいます。なにやら背後から肉まんの香りが? なんてことも。 飲み食いしている人以外は何をしているかというと、構内で配布している無料 の新聞を読んでいる人40%(隣人の新聞を遠慮なく一緒に読む人含む)、スマ ホでゲームもしくはiPadでドラマを観る人30%、ひたすら爆睡20%、その他10 %といったところ。これは日本の通勤列車の風景とそこまで変わらないか? ○乗り降りは戦闘態勢で? あとは、何と言っても乗車と降車の仕方! 日本ではご丁寧に「電車が止まっ てから席をお立ちください」なんてアナウンスをしてくれますが、中国は真逆。 アナウンスで「あらかじめ降車の準備をしてください」と言われます。実際、 前の駅を発った瞬間から乗客もドアの前に移動を開始するのです。 その度に混んだ車内は逆流が渦巻くわけで、これが日本人的にはしんどいわけ です。大きい駅ではほとんどの人が降りるから何もそんなに慌てなくてもと思 うのですが、さすが10億人もいる国では悠長に構えていると自分の番が回って こないと考えるからか、皆が扉の一番近くのポジションを目指して移動してい きます。 しかも、降車する人を優先しましょうとは言っているものの、扉が開いた瞬間 に乗る人がなだれ込んでくることも。日本人はたいがい我れ先にと乗り込んで 行く覇気に欠けるために、後ろの人に追い越されがちです。実際、私はなるべ く一番先頭にならないようにしているくらいです。 そんなわけで乗り降りするだけでパワーを吸い取られがちですが、万博前後に 新しくできた路線は乗客も比較的少なくストレスフリーです。そのために遠回 りしてそちらの路線を利用している人も私の周りにはいるほど。 私は一番古くて一番混むと評判の1、2号線を利用せざるを得ないのですが、そ れでも安くて時間も正確な地下鉄はやっぱり便利。とはいえ、目的地までサク っと行けてしまう便利さではタクシーにはかないません。上海では先に書いた ように地下鉄の最寄り駅から目的地が案外離れていることが多く、しかも日本 と違って初乗りが安いので、なにかとタクシーのお世話になっています。実は 今回タクシーについても書こうと思っていたのですが、地下鉄のあれこれが多 くて書ききれませんでした。いつか機会があったらエピソード満載のタクシー についてもぜひ紹介したいと思います。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム カリスマ亡き後の世界 少し古いデータだが、Wikipediaによると、日本国内のスマートフォンの利用 者数の推移は以下のようになっている(コムスコア調査)。 2010年9月 iPhone:3,347,000人、Android:841,000人、その他1,514,000人。 2011年3月 iPhone:3,906,000人、Android:4,601.000人、その他1,257,000人。 数字の推移を見るとiPhoneのユーザー数は6ヶ月間で微増だが、Androidユーザ ーは約5.4倍に増加している。その後、アップルは2011年10月にiPhone4Sを投 入し大ヒットとなったので変化があったと思われるが、現在のスマートフォン 市場がiOS、Androidの2大勢力で構成されているのは間違いない。 パソコンのMacが(一時期をのぞき)そうであったように、iPhoneはiOSをクロ ーズドにすることでアップル1社によって純粋な形で進化させてきており、一 方のAndroidはLinuxベースのオープンソースとして、グーグルを軸に世界各国 のさまざまなメーカーが参入している。パソコンのMacとWindowsと似たような 勢力図がスマートフォンの世界でも展開されているわけだ。 iPhoneは、Android端末に先んじて2007年6月に登場。電話機能に加え、Wi-Fi 接続も可能とし、カメラ、カレンダー、YouTube、時計、計算機、メール、マ ップ、株価、メモ、天気、そして従来のiPodの流れである音楽プレーヤーなど のアプリケーションを標準装備した。ほとんどは従来の携帯電話にも装備され ていた機能ではあるが、大画面、タッチパネルによる操作、そして各種アプリ ケーションによる拡張性などによって、携帯端末の新時代を切り拓くことにな った。 繰り返し語られてきていることだが、iPhoneだけではなく、iMac/Mac、iPod、 iPad・・・これまで、スティーブ・ジョブスが手にした未来の種は、まるで魔法 の力を与えられたかのように、確実に成長してきた。それを見て、競合他社が 追従してきたのがこれまでのIT業界の図式と言っても過言ではないだろう。 今後、ジョブズの魂を継承することで、アップル製品は1つのブランドとして これからも輝き続けるだろう。一方でライバル企業には、ジョブズ以外の価値 観を提案できるチャンスがやってきたということもできる。 来年以降もまた、未来のライフスタイルを提案する力を秘めたデバイスが、各 社から続々と誕生するだろう。それを選定する役割は、1人のカリスマ経営者 から、エンドユーザー1人ひとりにバトンタッチされたのかもしれない。 カリスマ、スターの存在は時代の欠落を映す鏡だと、どこかで読んだ覚えがあ る。スター不在の世界と言うのも、それはそれで悪くないのではないかと思う。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 ○最近、プロジェクター内蔵のデジタルカメラやビデオカメラに注目している。 ようするに、撮影した静止画や動画を、その場で壁などに映し出せる製品のこ とだが、そこに未来の可能性を感じる。もう液晶ディスプレイが不要になるか もしれない自由さ。その先にはホログラフィやバーチャルなマンマシンインタ ーフェイスもあるかもしれない。そんな夢想やワクワク感こそ、進化への原動 力なのではないだろうか。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.21 2011年12月26日発行 2,400部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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