┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第14号・・・2011/5/27       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第14号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第2回:デザインの対価はキャピタルゲインで ●上海的モノ生活 第8回:「本の城」という名の本屋さん ●pdwebデザインコンペ2011のお知らせ ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第2回:デザインの対価はキャピタルゲインで 最近、役務出資という考え方が面白いと思っている。 大手メーカーのデザインセンター長を務めている方と食事をしていて、組織改 革の話で盛り上がった。話題がデザインの報酬に関する内容に差し掛かったこ ろ、ため息をつき気味に、「デザインというのは、時間を使ったから良くなる ものではないし、短期間でできたから、悪いというわけでもない」と相談を持 ちかけるようなトーンで話しかけられた。 デザインの対価を、どれだけ時間をかけたかで決めるのは、どうも違和感があ るというのだ。メーカーに勤めるデザイナーがサラリーマンである以上、デザ イナーへも労務管理の義務が生じるので、「稼働時間を管理するのは仕方がな いんじゃないですか」と、返事をすると、その方は「なんだ、そんな、当たり 前の答えしかないのか?」とじろっと視線を向けられた。彼が言いたいことは 十分に分かるのだが、さりとて、これといった解決策があるわけでもなく、代 わりに気の利いたことも言えず、そのときは、そのままになってしまった。 その後しばらくして、そのセンター長にあったら、「みんなに一度辞めてもら って、フリーランスとして、別契約を結ぶことにしたんだ」と、自信がありそ うでなさそうな微妙な表情で、以前の会話をフォローをしてくださった。「い いものを高く買い取り、悪いものは買い取らないというのが、みんなやる気が 出るし会社にとってもいいんだよ」と、ボソッと言い訳のようにつぶやかれた のが、今でも耳に残っている。彼の勤める社内の会議で大論争を経た結果の結 論なのだと思った。頭では正しいと思いつつ、心ではなんとなく賛成できなく て、はっきりとした相槌が打てずに、話題を変えた。そのメーカーのデザイン がその後、よくなったかどうかは正直よくは分からなかった。そういったこと もあってデザイナーの仕事の成果とその対価に関する問題意識は、はっきりと 答えが見出せないまま、ずっと引きずっていた。 ●シリコンバレーの起業精神 そんな中、しばらく足が遠のいていたシリコンバレーにまた、少しずつ足を運 ぶようになった。一時のITバブルの様相はなりを潜めたが、多くのアントレプ レナーと投資家が、しょっちゅうカフェや大学のカンファレンスで出会い、人 の紹介を通じて、いたるところでプレゼンテーションを行っていた。 そこにはやる気がむんむんした空気は相変わらず顕在だった。投資家から資金 を引き出すまでの試作品の製作や、チームメンバーのリクルーティング、ビジ ネスプランの作成、営業はアントレプレナー持ちである。結果を出した人が評 価されて、そうでない人は、結果が出るまでがんばり続ける。成果を出さない と見入りはない。当たり前だが、シリコンバレーの住人であるアントレプレナ ーのメンタリティは、サラリーマンとはまったく異なるのである。 そんな当たり前のことを考えているときに、1つ大事なことに気が付いた。ア ントレプレナーのメンタリティとフリーランスのデザイナーのメンタリティも 違うのである。成果主義ということだけでは、シリコンバレーのようなむんむ んした雰囲気は出ないのだ。フリーランスデザイナーの成果主義と、アントレ プレナーの成果主義はいったい何が違うのか? フリーランス契約であっても、 クライアントがあると、とたんに、仕事がサラリーマンっぽくなってしまう。 このことに気が付いたとき、「あっ」と声がでた。クライアントがあって、ス コープが決まっているデザインの仕事は、サラリーマンの仕事に近いのである。 件のデザインセンター長が、契約を変えただけでは、成果をデザイナーに出し てもらうことができない理由が分かった気がした。成果主義を採るだけでは不 十分だったのだ。ベンチャーを立ち上げるに等しいことを行って、初めてベン チャーが事業を売却するときぐらいの大きな見返りがある。こういった大きな 《にんじん》がないと、人は本当に魂を削るようなクリエーションをしないの ではないか? 初期にとるリスクがベンチャーっぽいなら、成功したときの報 酬もベンチャー並みに請求できるが、クライアントがあって、クライアントが 事業リスクをとってくれるなら、リターンはサラリーマンに支払う対価にとど まる。考えてみれば当たり前の話だ。アントレプレナーは、本来ハイリスク、 ハイリターンの世界を生きているのである。 デザイナーもアントレプレナーのように給与のかわりに、役務を無償で提供し たら、プロジェクトの一部を所有できる。アントレプレナーと一緒に役務とい うかたちで出資をして、投資が実を結んだらキャピタルゲインで投資を回収で きるべきなのである。 シリコンバレーのアントレプレナーと話を頻繁にするようになって、アントレ プレナーでいうところの、事業を売却したときのキャピタルゲインを意識しな がら、何人かのデザイナーと会話を交し始めた。近い将来、このやり方で仕事 を始めたチームで、成功の対価をキャピタルゲインで受け取るということを実 現してみたいと思っている。私は、リスクを一緒にとるデザイナーを歓迎して 迎えたい。 西山浩平 エレファントデザイン株式会社 代表取締役 Linkedin : Kohei Nishiyama Twitter : Kohei Nishiyama ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ 6/22からのDMSの告知や集客などに、ご活用いただけます。臨時増刊もあり。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●上海的モノ生活 第8回: 「本の城」という名の本屋さん 稲吉実菜子/フリーライター 日本なら駅中、駅前に必ずといっていいほどある本屋さんですが、こうした見 慣れた風景が上海には存在しません。帰宅途中に本屋さんに立ち寄ったらつい つい長居していた、なんていう日常の一コマがないのは寂しいものです。とは いえ、上海に書店がまったくないわけではもちろんなく、今回は上海一有名な 本屋さんについて。 ○上海版神保町みたい? 上海では雑誌や新聞は日本と同様にコンビニや駅構内の売店で自由に手に入れ られますが、書籍を求めるとなると書店の数は決して多くありません。 そんななか断トツの知名度を誇るのが福州路にある大型書店「上海書城」です。 この福州路は本屋さんが数多く集まっているので、私のなかでは神保町のイメ ージ。実際、中国全土でも有名でわざわざ遠方から本訪れる人もいるとか。 店内はありとあらゆるジャンルの書籍が揃うのはもちろん、スターバックスも 併設されていて、タイトルが漢字だらけで近寄りがたい印象なのを除けば日本 の本屋とほぼ同じ雰囲気です。 ○中国の本はお買い得!(ただし中国語が読める人限定?)  とはいえ6フロア展開にも限らず、私に関係があるのは中国語学習者向けコー ナーのみなのが悲しいところ。ただ、中国は書籍の値段も日本と比べると相当 安いので学習者には大助かりです。 たとえば、テキストや試験対策の参考書が600〜700円程度など、日本で買うよ りお買い得です。また、日本では中国語テキストといえば初心者、初級者向け が圧倒的ですが、こちらはさすが本場だけあって中級者向け以上のものも豊富 に揃います。 また、中国人のための英語テキストも充実しており、たいていの有名な小説は 英語バージョンがあるので、輸入の洋書を買うよりこちらを買ったほうが断然 トクだろうなという、新しい発見もありました。 ちなみに残念ながら日本語の本は置かれていませんでしたが、店内の週刊売り 上げランキングの小説部門になんと3冊も日本の小説がランキングされており、 1位が東野圭吾の「告白」となっているのを見かけて思わず嬉しくなってしま いました。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●pdwebデザインコンペ2011のお知らせ pdweb.jpでは今年も「pdwebデザインコンペ2011」を開催いたします。 本年は例年とはテーマを変え、 「ポスト311の日本のエネルギーとプロダクト」という1テーマで、 オールジャンルのプロダクトデザインを求めたいと思います。 詳細は6月上旬にpdweb.jp上で告知いたします。 ※なお「pdwebデザインコンペ」では本テーマにご賛同いただける協賛企業を 募集しています。本コンペのテーマにご賛同いただけるモノ作り関連企業様は ぜひご検討お願いいたします。 問い合わせは、info@pdweb.jpまでお願いいたします。 追って概要を返信させていただきます。 11月末の大賞発表までの期間、随時受付いたします。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 ○よく言われることですが、動物も植物も、自然界に生きるものたちは、すべ てデザインが素晴らしい。先日ペットショップで、しばらくメダカを眺めてい たのですが、こんな小さな魚のボディも、なんというかパーフェクトを感じま す。また5月はツツジの季節でしたが、パワーを感じる咲き方ですね。ただカ ラーコーディネート的には、いわゆるつつじ色より、白いツツジの方が素敵だ と思います。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.14 2011年5月27日発行 2,400部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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