┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第1号・・・2010/04/26      編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ いよいよ創刊です! ご愛読よろしくお願いいたします。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第1号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:ギョーカイに一言 第1回:川崎和男氏 ●データから知る日本のモノ作り2010 第1回:日本のモノ作りを元気にするには ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━フルカラー3Dプリンタ━┓◆3Dフルカラーモデルを、素早く低コストで ┃ZPrinter 450 好評発売中!┃◆3Dデータから直接造形可能。携帯3Dスキャナ ┗━━<代理店募集中>━━┛◆も好評発売中! http://www.zcorp.co.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ディテールまでを詳細に再現する高精細な3Dプリンタ 小型のエントリーモデル「Alaris 30」で、モデル試作がもっと身近に! http://www.objet.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:ギョーカイに一言 第1回:川崎和男氏 デザイナーへの3つの提案: デザインは学際化と統合化をめざせ 今、日本は「ガラパゴス」と揶揄されています。 無念ながら日本はあらゆる領域で、韓中アジア新興国に追い抜かれているという 現実と印象があります。とりわけ、日本のデザインも、世界をリードしていると は言い切れません。しかし、日本のデザインには絶対に「底力がある!」と私は 確信しています。ただし、この底力は常に革新をめざすことが不可欠です。 そのためには、3つ提案をさせてください。 まず、パソコンの前で「デザインはできない!」。 私自身がデザインには「パソコンがツール」だと絶叫してきたのだから、この風 潮を促進させた責務があります。しかし、モニター(これもデザインしてきた) 内では、デザインの発想は自分の脳内で起こっていないことを知るべきです。キ ーボードよりも鉛筆(私はボールペン)とカッターナイフ(せめてソフトモデル づくり)を、作業の3分の2程度には使ってほしいと思います。 次に、「学際的にデザイン領域を拡大」してほしい!。 私はデザイン対象は物質・情報・エネルギーだと学生たちに言っています。人工 臓器や医療環境、素材開発・ソフト開発、制度設計、エネルギー開発に至るまで の知識をまず獲得し、デザインのための情報技術変革に向かってほしいのです。 そして最後が「プレゼンテーションそのものの革新」。これは必須でしょう。 音楽と映像を駆使することです。要は、デザインをより学際的で統合化し、これ までのプロダクト、グラフィック、インターフェイスなどという分野を解消し、 すべての分野の統合化の中に自分を役割を拡大していくべきでしょう。あるいは 統合化も知り尽くして、自分の専門を確立してほしいのです。 さらに言えば、Appropriationを知り尽くしてほしい。他のアイテムのアイコンを 引用・借用・盗用して、オシャレなんていう発想や、「かわいいデザイン」なん ていう軽薄さにデザインの本質などありません。デザインが付加価値ではなく、全 体価値を知財権とするを最大の手法だというその発言力を強化してことを自覚する べきです。 日本のデザインがデザインの本質を明確にしていくことが世界のデザインをリード していく立場につながるのです。新興国ではまだデザインの本質までは理解してい ないとみています。インスタレーションに終始しているデザイン表現や、高密度化 しているWeb画面には、唯一、デザインが、人類存続のための問題解決手法が「デ ザイン」だという認識の断片も見られないからです。 川崎和男 大阪大学 大学院 工学研究科・医学系研究科教授・デザインディレクター 博士(医学) 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iPhoneジャケットなどを生産しており、直接コンシュマー向けを販売までしてます。 確実に需要があり、お客さんにはたくさんお待ちいただくのですがオーダーが切れ ることがないです。そんな小ロットで細かな意見を反映させた商品作りが今後の日 本のモノ作りの一端を背負うものだと確信してます。(鉢呂文秀) ・今後台頭してくる新興国の商品との価格競争には到底勝てるものではない。多品 種が良いかどうかは業種によっても異なるが、技術力を活かした付加価値のある簡 単には真似できない商品を作るべきでと考える。効率化も重要なポイントであり、 同様に技術力を活かした一定のモジュール化、ユニット化を追求すべきと思う。工 芸品については、現代に受け入れられるデザインがキーとなる。(齋藤洋子) ・日本のモノ作りが良かったのはモノに愛着と愛情が、作る側にも消費者側にもあ ったはずで、大事に出来るモノを作っていくべきだと思います。注目は農業や食に 関する市場や医療介護機器や設備に関する市場。(田中行) ・薄利多売製品を製造するステージは国内にはないと思います。(是枝靖久) ・日本のモノ作りはどの段階においてもレベルが高く、そのレベルの高さこそが日 本のモノ作りである。国内外市場問わず高付加価値商品を日本を含め海外に発信し てこそ日本のモノ作りの存在価値はあるから。(矢野宏治) ・多くの中小企業にとっては、付加価値になるオリジナリティを育てていく方向が いいように思います。(匿名希望) ▽3:1と2両方、その他についてのコメント ・ロングライフに耐えられる機能と素材とデザインで、高付加価値ではない、適切 な価格帯の商品だと思います。成熟されたマーケットでは商品アイテム数をむやみ に増やす従来の方法をやめ、ロングライフをテーマにすべきだと考えます。(宮沢 哲) ・薄利多売商品か高付加価値商品かという2者択一ではなく、バランスであると思 います。またこの2つの言葉が表している価値観からは時代はすでにシフトしてい るように思います。たとえば高額な商品であってもベーシックな質の高さという方 向にあるとおもいます。(安島諭) ・量や品種数ではなく「今までない物」を作ること。(三原昌平) ・サービスプラットフォームを持った商品を作り、新商流を開拓する必要がある。 日本企業はソフト主導ないし技術主導の商品開発に消極的だったため、新領域開 拓を苦手としている。情報化で社会が変化している現在、社会には多くのフロン ティアがある。いまデザイナーに求められる姿も、開発者というより企画者として の資質ではないか。(NOSIGNER) ・これからの時代は二者択一的発想では市場を読み間違えるのではと考えています。 (井川喜市) ・月並みだが、高品質適正価格が一番望ましいと考えています。日本の技術力で、 低価格多品種が実現する生産技術が開発されれば、消費者の購入意欲が増し、生 産現場にも活気が出てくるのではないかと思います。多品種小ロット型は、小ロッ トで高コストになってしまったツケを販売価格に乗せてるだけの商品も見受けられ 、これが増えてしまうと廃れてしまうという危機感を持っています。(田中英明) ・自然災害/テロなどの危機管理に関わるモノ全般。食料、医療関係、エネルギー 、インフラ関係、治安維持、耐震免震に関わる産業。国内向け/海外向けという仕 分け自体が、日本のモノ作りの活力を削いでいると思う。(例えば携帯などキャリ アにしばられて商品化できないものがある)それはiPhone/iPadが証明してしまっ たので、高度な実装技術や新素材の開発など、日本独自のアイデアを製品にし、世 界へ発信していく必要があると感じている。コンパクト化、省エネ関係は世界をリ ードする日本の技術である。資源のない日本はモノ作りが最大の資源であり財産と いうことを、産官民が一丸となって再認識する必要がある。(柴田映司)  ・適正付加価値商品(多品種小ロット型)。多様化する時代の流れの中、当然のこ とかと思います。(川口とし子) ・1と2のバランス。1は子供たち、2はシニア世代(川崎和男) 。 ・1番目にはいわゆるナノ、IT、エコ、バイオ、その他新素材などの新技術と設計/ 製造力で高付加価値を生み出し、コスト/品質面ではロボット、ファクトリーオート メーションなどの改善/革新で、新興国製品に対抗する。 2番目には世界に受ける 日本製ゲームやアニメ、食材、衣料品などのように消費 者のニーズと感性に訴える、企画/デザイン/マーケッティング力で1番目を後押し する。ハイテク/高機能万能ではなく「ユルキャラ、ロハス」などもOK。注目すべ き市場はやはり、広い意味の省エネルギー関連商品でしょう。(佐々木彰男) [世界市場向け(輸出製品)] ▽1:薄利多売商品 ■10%(5票) ▽2:高付付加価値商品 ■■■■■45%(23票) ▽3:1と2両方、その他 ■■■■■45%(23票) ▽1:薄利多売商品についてのコメント ・付加価値ではない、必要とされる商品を、世の中を良くしていくために、日本は 貢献めざすべき。(加賀武見) ・世界レベルでの市場が開拓されれば自ずと商品数量が増える。輸出コストを換算 する分商品コストを下げるなどの点から、薄利多売商品へと発展する流れがでてき ます。(吉川聡志) ▽2.高付付加価値商品についてのコメント ・低価格帯のモノ作りは日本国内では難しいとか感じています。国内の産業力をあ げていくには、高付加価値のモノ作りによって生産されたモノを海外へ輸出するこ とが、知財面を考慮しても、有益に動くと考えます。(匿名希望) ・日本の技術を継承させるためにも、クオリティの高い商品を作っていくべき。(匿 名希望) ・かつては欧米の模倣をしていた日本だが、勤勉な国民性が助けて、こんにちでは Made in Japan といえば信頼のブランドとなった。ただし、人件費の安い他国で もクオリティの高い製品作りは可能になりつつあり、モノそのものだけで世界市場 での競争に勝つのは難しくなってきたことも事実。日本人の実直さや、空気を読む ほどの神経のきめ細かさを製品に添付できれば、世界市場に向けて発信する製品に 、新たな形の信頼を付加価値とし て乗せられるかもしれない。Made in Japan が品 質以上の意味を持つような展開を期待したい。(清水慶太) ・コストでは中国には勝てない。(匿名希望) ・価格競争力という意味で低価格という企業努力は必要だが、「NIPPON」という アイデンティティが少なくともクリエイティブの世界では認められてきている今 、日本人らしい価値感、日本にしか出来ない商品に注力すべき。古くは江戸の美 が海外で絶賛されたように、日本の伝統工芸は真似のできない素晴らしいものが 多く存在する。日本全国に存在する伝統工芸に注目しています。(有川伸彦) ・周囲への同調よりも、各個人自身の志向に意識が向いてきているのではないか と感じています。文化的背景からもEU諸国のほうがこの点ではアジア諸国をはる かに上回っていると思われます。(松原美恵) ・伝統工芸品などを整理した上で世界に発信するのは面白いと思います。ただし、 変に手を加えすぎたり、何も考えずそのまま出すのではいけないとも考えています。 また、今までのように高品質で高スペックな日本ブランドを維持してほしい。今後 は、まるでSFの世界のような新規性溢れる製品で、より日本の技術力をアピールで きることを期待したい。(田中英明) ・日本の価値をもっともアピールできる、繊細さ、精巧さ、完璧さとデザインセ ンスを表現できるモノが必要だと思います。大量生産の時代ではない。(田中行) ・日本人にはとっては、時として疎ましく感じるおもてなしマインドも海外では 感激されることが多々あります。例えばお土産を持参すると、まずその丁寧な包 装に驚かれます。“モノ”が必要な新興国はさておき、日本人の考える品質や仕 様に共感を持たれる市場はまだ多いはずです。(石橋忠人) ▽3:1と2両方、その他についてのコメント ・ロボット関連。国民・民族対応商品。(川崎和男) ・MADE IN JAPANおよびDESIGNED IN JAPANをブランディングする。基本的には上に 同じだが、中国をはじめとした他国の生産地と日本のコスト差が埋まり始めてる今、 「日本製品」そのものが持つブランドを求める人が、特に中国や韓国で増えている。 その追い風を受け、日本の製造業を活かすべき。(NOSIGNER) ・世界市場に対しては国、地域とターゲットにより1か2かは分かれてくると思いま す。国内、欧米のような成熟市場と新興国のような未成熟市場によりプランは考慮 すべきです。ただし国内市場で起こっている二極化現象は世界中のムーブメントな ので、中途半端な製品やサービスは今後厳しいと思います。(宮田典昭)   ・新価値大量生産型。ヨーロッパのデザイン会社と世界市場を目指した高価格帯商 品の開発に取り組んでいますが、高価値と高付加価値の違いについてよく考えて開 発を進める必要があると実感しています。競合他社が国内だけでなく世界にある場 合はより困難が多いため、海外市場で新規サービスにより新商品を投入し、国内向 けに調整して逆輸入するのが理想です。(松崎元) ・日本らしい価値観と世界と共有できる価値観がミックスされたモノ作りが提案で きるといいように思います。(匿名希望) ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 ○今回、プロのデザイナーの方々にアンケートをお送りさせていただき記事を作り ました。ご協力ありがとうございました。たくさんの真摯なコメントをいただき、 おかげさまで密度の濃いメールマガジンを創刊させていただくことができました。 今後ともよろしくお願い申し上げます。(A) ○本メールマガジンの配信前の週末に、1泊で大阪に行くことになった。メルマガ の編集作業も含めてもろもろ仕事を抱えていたので、東京−大阪往復の新幹線の中 もモバイルオフィス状態。往きのN700系はWi-Fi完備で非常に快適。帰りは普通の 700系だったが、イーモバイルが頼りになった。車内を見渡してもノートPC率高し。 3割くらいはいる感じだ。ある意味、飛行機による高速移動より新幹線をオフィス 状態にしたほうが効率が良いのかもしれない。リニア新幹線の計画などを考える と、国内線の飛行機のニーズは今後どうなるのでしょうね。(M) pdwebメールマガジンNo.01 2010年4月26日発行 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される方は、 pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたします。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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