┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第88号・・・2017/7/28       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第88号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第64回:藤井北斗/hokkyok ●編集長のミニコラム 「流行とは?」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第64回:藤井北斗/hokkyok 私はグラフィックデザイナーであるが、その中でもサインデザインと呼ばれる 分野を生業としている。サインとは、いわば空間の中のグラフィックであり、 駅の矢印やトイレのピクトグラム、施設の案内板や解説板などを想像してもら えると分かりやすい。確かにピクトグラムの形状や、解説文のレイアウトとい う視点で見れば、グラフィックであるが、素材や盤面の形状となるとプロダク トとみなされ、どこに配置するかという段階になると、空間的なバランスを捉 える必要がある。ときには、壁面や天井の色を提案することもある。そういう 意味で、サインデザインの立ち位置は非常に曖昧で、そこに面白さを感じてい る。 サインは、とにかく人を案内する機能に特化しているが、目立てばいいという わけでもない。トイレに行きたいのに、表示が見えにくいというのでは話にな らないが、目に留まるというのは、空間の中では異物となり、全体の調和を崩 しかねない。空間とマッチしながら、探した時にしっかり見つかることとが重 要であり、必ず人に注視されるものなので、目についても違和感のない素材や 色、形状を決める必要がある。 サインのデザインを進めるにあたって、私が重要視していることは、その場の 文脈を捉えることである。建築家やインテリアデザイナーが決めたコンセプト、 この場所は何が行われるのか、誰が使うのかといった機能性、さらに、周辺地 域の持つ魅力や歴史などを紐解き、空間のデザインだけでは伝えきれないスト ーリーを感じられるものが良いと考えている。空間デザインと調和をとりなが ら、同じベクトル上で少しだけ違和感を作り、利用者に気づきを与えること意 識している。 フィットネススタジオを運営する「LEALEA」のサイン計画では、ジム利用して いるお客様に、天井を意識させるサインを試みた。歩くときも背筋を伸ばすこ とを意識し、ジムに通い続ける向上心があがることをコンセプトとしている。 そのため、廊下に突き出す室名のサインは、細いステンレスのバーを使い、扉 に配置したピクトグラムからしなやかに上部へと伸びていくデザインである。 他にもストレッチゾーンでは、顔を上方に向けたときポジティブな言葉が目に 入るよう、天井にグラフィックを施している。ジムという限定された空間の中 では、会員同士やスタッフとのコミニューケーションが大切である。このサイ ンの意味をお客様に伝えるえることで、話が弾むきっかけになったようで嬉し い限りである。 最近の仕事では、アーティストとして扱われることも多い。サインを目に留ま るものならば、いっそアートにしてしまおうという考え方で、地域ブランドや DIYなど周りと違うことに価値を見出す、今の時代らしい流れである。 サインデザインはまだ未成熟な分野であり、昔からある椅子や書籍のデザイン とは違い、未だ試行されていないことが多くある。例えば椅子は、長い間かけ て形、材質、色に対したくさんの実験がされてきた。その上で、座りやすさと いう機能にこだわらないデザインも生まれている。サインのデザインも、それ が求められる時代がきたと思う。視認性・伝達性より、その空間ならではの独 自性が必要なのだ。場のストーリーを語ってくれるもの、人の内面に近いもの が増えていくことは、人と人とコミニュケーショや居心地の良さといった、従 来の機能以上のものが生まれる。サインのアート化は、こういった新しい思考 が広がるので私としては大歓迎である。グラフィックでありながらプロダクト 的で空間的であり、さらにアートでもあるサインデザインが今後どうなるか楽 しみである。もちろん、その未来に自分が先陣を切らねばならないとも思って いる。 最後に、今回コラムを書かせていただいて、これまでリレーしてきたたくさん の若手のデザイナーのことを知れたことが一番の収穫でした。今後のデザイン 界を担うみなさんのデザインへのアプローチ、素材・形状について、なるほど と感心しながら拝見しました。このような機会を与えてくれた石井さん、グラ フィックデザイナーなのにコラムを書かせてくださった森屋さんに感謝いたし ます。また、ここまで読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうござい ました。 藤井北斗 hokkyok http://hokkyok.com ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「流行とは?」 すべてのモノは最終的にカタチとなって流通する以上、必然的にデザインされ ているわけですが、例えばメガネを例にしても、機能優先のものから、デザイ ナーの細やかな配慮を隅々に感じさせるものまで、さまざまです。 ユーザー目線でモノを選ぶとき、多くの人は両端を対象外にして、ボリューム ゾーンの中から好みに合ったモノを選ぶ傾向にあるように思います。低価格メ ガネの量販店がヒットしたのは、そういった一般のユーザーニーズに最適なシ ステムで対応したからでしょう。ボリュームゾーンこそデザイナーの主戦場で あり、奇を衒わずにオリジナリティを織り込むという表現が求められています。 ただ、機能優先のものも尖がったデザインのものも常に一定のニーズはあるわ けで、その両端の進化の恩恵を受けながらボリュームゾーンは日々変化してい て、それを流行と呼んでいるのかもしれません。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 ○初めてのスマホ。携帯電話をスマートフォンに機種変しました。5年、いや 10年遅れの機種変ですが、いままでは主要キャリアのスマートフォンの通信料 が割高に感じ、スマホに踏み切れませんでした。最近割引プランが登場したの で、これを機にようやくスマホユーザーになりました。といっても以前より iPad、iPod touch、Androidタブレットを使っていたので、大きな変化があっ たわけではないのですが、Wi-Fiルーターが必要なくなったので、持ち歩く荷 物が1つ減ったくらいです。さてiOSには慣れていたので、今回は日本メーカー のAndorid端末にしました。最新機種だからでしょうが、ハードウゥアの仕様 はさすがですし、仕上げもよい。ハード面のいくつかの点でiPhoneのスペック を抜いていますが、だからと言ってiPhoneユーザーの心はなかなか動かないよ うです。やはり時代はハードよりソフトなんですね。(M) ※pdwebではバナー広告などを掲載していただける企業を求めています。 お申し込み(お問い合わせ)メールアドレス→ info@pdweb.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.88 2017年7月28日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛