┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第79号・・・2016/10/24       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第79号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第55回: 細尾直久/HOSOO architecture ●編集長のミニコラム 「デザイナーズFILE 2017」2次募集中! ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第55回:細尾直久/HOSOO architecture 〇過去に囲まれて HOSOO architectureという建築設計事務所を、京都で主宰している細尾直久と 申します。京都で事務所を設立するまでは、ミラノで5年半の間、設計事務所 に勤務しながら、日々の生活を送っていました。イタリアをはじめ、西欧各所 のさまざまな建築、美術、生活文化を噛み締めながら、その豊かさに感心した ものですが、久し振りに京都に戻ると、古めかしいものの中に、そこにしかな いものを再発見したような、新鮮な驚きがあり、それを踏まえて、現在の僕の 設計活動があります。 京都は寺社仏閣だけでなく、数寄屋や京町家といった、過去から連続する建築 が数多く存在する街で、それらを支える職人のネットワークが、今も色濃く存 在しています。もちろん、そうした職人の伝統技術は既存の和風文化と不可分 に結びついて存在しているのですが、各々の技術それ自体は、普遍的に価値を 持つものが多く、そうした技術に着目して、現代の文脈に織り込み、再構成す ることによって、過去と未来に通底する、「新しいけれど奥行きのある」建築 をつくることを、考えています。 例えば、数寄屋や茶室、町家において使用される土壁には、さまざまな質感、 色、仕上げの種類があり、光を反射する様子には繊細で、美しいものがありま す。また、西陣織の生地は古来から最高級織物として重用されてきた経緯があ りますが、薄暗い闇のなかで、光を宝石のように散らす様子は、普遍的に価値 を持つように、感じられます。装飾を切り詰めた、禁欲的な空間をつくってい く際、ものの質感そのものが重要になりますが、来春に竣工する、京町家を改 修したショールームにおいて、さまざまな種類の土壁や西陣織を、間仕切り壁 かつ光の反射板として、採光条件の悪い内部空間に挿入することで、「新しい けれど奥行きのある」建築をつくることを意図しています。 〇必然性のない時代に 大徳寺にある聚光院を訪れる際に感じられる、建築と庭園と襖絵が一体化して つくりだされる豊穣さは、ローマにおけるバロック様式の教会と同等の豊穣さ があり、それは建築、美術、工芸が一体化しているところにあるように思われ ます。 現代において、ほとんどすべての物事が、必然性を失っています。帰依する宗 教も、異性のパートナーも、ニュースの情報源も、身につけるファッションも、 住む家のスタイルも、すべてが選択できる時代です。こうした時代において、 既存の文化の枠組み、ジャンルを括弧にいれて、再構成することで、もう一度、 建築を主としてさまざまな技術が連帯し、統合された「綜合芸術」をつくりだ すことができないだろうか。必然性のない時代に必然性を持って選択されるよ うな、モリス商会やウィーン工房に連なる「綜合芸術」を京都から発信できる よう、歩を進めていこうと考えています。 細尾直久/HOSOO architecture http://hosoo-architecture.com/ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「デザイナーズFILE 2017」2次募集中! 2017年3月の刊行が決定した「デザイナーズFILE 2017」。まだページに多少の 余裕がありますので、10月31日まで2次募集を行っています。 ご興味のある方は以下のURLのご案内ページをご一読願います。 http://pdweb.jp/editorsnote/index.shtml#df2017 今回、新企画として「スケッチ&プロトタイプ」ページを新設いたしました。 完成物になる前の、デザイナーの脳内から最初に発生した純粋イメージをぜひ お寄せいただければと思います。 お申込み、お問い合わせは以下のメールまでお願いします。 df2017@pdweb.jp 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 今年も今週26日(水)から東京・青山の明治神宮外苑前絵画館前で「TOKYO DE SIGN WEEK 東京デザインウィーク」が始まります。学生からプロまで、そして デザインから音楽までの幅広いクリエイターが一堂に会するこのイベントの時 期になると、1年のサイクルを感じます。1周したけれど去年とは違う。違うの は当たり前なのですが、そこに表現者の息吹を感じます。今年も秋空の中、新 しい風をいっぱい感じたいですね。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.79 2016年10月24日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛