┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第72号・・・2016/3/25       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第72号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第48回:渋谷幸代子 ●編集長のミニコラム 「スマホとケース」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第48回:渋谷幸代子/Sayoko Designs Ltd SAYOKO DESIGNSの渋谷幸代子と申します。3年前ロンドンにて設立し現在精力 的に活動中です。 元々はインテリアデザイン、建築から入りましたが、実際作りながら直に感じ られるスケールまで落としてデザインすることに興味が湧き、現在は小物や家 具に重点を置いています。デザインに限ったことではないですが、柔らかくあ りたいです。違いを受け入れること、人の意見を聞くこと、自分の当たり前は 他人にとって当たり前でないということ。日本人同士でも言えることですが、 海外では特に肝に銘じるようにしています。デザイン上ではこういった文化的 な相違を踏まえて考えることも多いです。ただ、機能面としては自分からユー ザーを制限しないようニュートラルに考えるようにしています。 ○海外に置いてのアート、デザイン教育観点の違い デザインに関する教育については、調べた範囲ですが、日本とイギリスでは、 決定的な違いがあるようです。日本で一番先に学ぶ基礎や基本的な部分は、イ ギリスでは後回しで、想像力を伸ばす授業が先です。 構造的に成り立たないと言う日本人の生徒さんがいて、正しいのだけど、例え ば、成り立たないなら成り立つように考え発展させていきます。想像力を生か すことで、新しい可能性を探るという一石二鳥なこのことに気がついた時は、 なんとも言えない驚きでした。 ありえない、成立しないと最初から制限を持たなければ可能性が広がります。 ただ、私自身は日本人のその生真面目さは逆を言うならば強みであると思いま す。だからこそ、理にかなった長く愛されるものができると思っています。そ れぞれでいいと思います。 次に、しつこいくらいに浴びせられた言葉が「なぜ?」「誰のため?」という 問いでした。それを作る理由、その素材を選んだ理由、その形になった理由、 誰が使うのか。すべてのなぜや問いに答えられなければいけない、と常々言わ れていました。チュートリアルでなぜを問われ、次のチュートリアルで答えを 提示し、それに対してまた問われ、 広い観点で捉えるため、当時は哲学や社 会学の本などを、頭を抱えながら読み漁さりました。 自身で調べ、答えを探し、 解釈することでストーリーが生まれ、それをデザ インとして総合評価されます。勧められて読んだ本、Donald A. Normanの 『The Design of Everyday Things』の一節に「滞りなく進むことより問題に 目を向けて繰り返し解決策を探していくことがデザインだ」とあります。それ は「Human Centred Designというデザイン哲学であり、その思想は人々のニー ズや生活習慣などを踏まえながら作るという考えをデザインの過程で与えてい る」とあります。 私は、それをものすごく簡潔に言い表してくれたのが、この「なぜに答えるこ とがデザイン」だと解釈しています。製作過程で独りよがりにならないよう、 常に心に留めておきたい言葉です。 ○海外の反応 海外の展示会で感じたのは、ビジターが業界の方だけではなく、一般の方も多 いという点です。皆さん気さくで、新しいもの、面白いもの、珍しいもの、美 しいもの、何に対しても良いところを見つけることが多いと感じました。何に 対しても素直といった方がいいかもしれません。その分ご指摘も多々受けます。 クリティカルになるのはそこに可能性があるからだと私は思っています。 そ ういった方のフィードバックが聞けるのも利点の1つです。 話がずれますが、若手のためのチャンスの場が多いです。スターターのための 展示会や、デザインやアート関連のネットワーキングサイト、若手を支援する ためのサイト、ポートフォリオなどを公開し業界とのつながりを斡旋するサイ ト、クリエティブ業界のノウハウなどを詳しく提供しているサイトなども数多 くあります。実際、少し前にファッションイベントに作品を使わせて欲しいと 依頼があったのですが、そういったサイトを通して私の作品を見たことがきっ かけだったそうです。 ○今後の展開 最近はアプローチの観点を変えて素材から入ることがあります。基本的には木 材ベースですが、さまざまな素材の可能性を知りたいと思い、素材をいろいろ な角度から試すことを心がけています。さまざまな素材の新な一面を見つけて いければと思います。現在は正反対の性質の2つの素材を使い、その素材とし てのあり方の可能性を探りつつ、スケールの小さめのアイテムを制作していま す。最終的にはコレクションとして家具などを制作し展示会などで発表する予 定です。 日本のデザインは機能美やシンプルかつミニマルなデザイン、クラフトマンシ ップ、技術面でのクオリティの高さなど、評判も良くヨーロッパでいうとドイ ツや北欧と近い立ち位置のように認識しているのですが、もっと広く世界に発 信していける場があればと感じます。ヨーロッパ、日本、さまざまな経験を活 かし、自身も日本のデザインを発信する一部になれるよう精進していければと 思います。 渋谷幸代子/Sayoko Designs Ltd London http://www.sayokodesigns.com ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「スマホとケース」 ほとんどの人は、スマートフォンを専用ケースに入れている。本体保護が第一 の理由だと思うが、現在はさまざまなデザインのケースが溢れている。特に女 性は思い思いのケースを着せ替えして楽しんでいる。デバイスと外装をユーザ ーがアセンブリするという言い方も可能だろう。 メーカーはスマートフォンの外装にそれほどこだわらなくてもよく、むしろケ ースを選ばない汎用的なサイズが求められているのかもしれない。ガラケー時 代にはデザイン携帯が流行ったが、今や遠い昔のように感じる。もはや中身と 外側が一体である必要はないのかもしれない。 例えば靴をインナーと外装に分ければ、履き心地の良い靴をさまざまなシチュ エーションに合わせて衣替えして楽しめる(実現性はあまりないかもしれない が)。机上を眺めれば、マウスなども着せ替えして遊べそうだ。 ただ、そうなるとメーカーは外装デザインという大きな差別化を失うことにな る。ひとまずはスマートフォンのケースの進化に注目していこう。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 東京はもうすぐ桜の季節。新学期、新年度の始まりです。徐々に春めいてき て、新しいことへのモチベーションも上がってきますね。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.72 2016年3月25日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛