┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第71号・・・2016/2/26       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第71号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第47回:江口海里 ●編集長のミニコラム 「家電の未来は?」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第47回:江口海里 ○デザインに対する宣誓 デザイン事務所を設立して8年目になります。2013年よりスタッフが入ること でチームになりました。「複数の人が仕事をする時、同じ視点になれるか」は とても重要であり、それを宣誓という形で掲げることでいつも同じ目線を持つ ようにしています。 それは「未知を発見する」という宣誓。 「自分たちは何のためにデザインをするのか」。デザインは商業的なことはも ちろんあると思いますが、デザインにはその枠にはまらないもっと大きな社会 的な役割があります。古来より人類は知恵を積み重ねることにより文明的で豊 かになってきました。現代ではそれを「デザイン」と呼ぶに相応しいと思いま す。「未知を発見する」という社会的使命を自らに課し、飽和的な社会を今よ りもさらに良く、快適に、革新的に、また時代の進化とともに、ずれが生じた 物や文化、素材などを価値観から見直すことで現代に適合させるような文化活 動(デザイン)を行っています。 ○アジアのデザイン事務所 「アジアのデザイン事務所である」と自分たちを定義しています。日本という 枠を取り払うことで、海外のデザインプロジェクトを広く受け入れる体制を整 備しています。より豊かな創造性を生み出す事を目的とし、また日英中の言語 を隔たりなく使うことで敷居が下がり、日本だけでなく、台湾、中国をはじめ とするアジア諸国のコンセプト開発、デザイン、コンサルティング、などがこ の数年増えてきています。 ○新技術、新素材の可能性を探る 最近はまったく新しい技術、まったく新しい素材をどのように生活空間や現代 という時間軸に投入するかという相談が多く、そのために僕らはその物性や特 性に着目し、それらを「意味性」の部分までバックキャストしてデザインに昇 華するようなプロセスをとっています。素材によるイノベーションはいつの時 代も魅力的ですが、あまりに先鋭的である場合、それは違和感として社会に印 象づけます。それを回避するために自らのメソッドを軸に、可能性を探りつつ 時代にフィットする「適合点」を探っています。 ○鑑賞性のデザイン 過去のプロジェクトでのメソッドの成功例を挙げます。(株)ユーイングと家 庭用水耕栽培器を開発しました。近年知れ渡ってきた「水耕栽培技術」を家庭 用機器として落とし込めないかと言う内容でした。最初に先方から提示された ベースモデルは電子レンジのように五面が囲われ、小窓がついている言わば 「ブラックボックス」でした。それに違和感を感じ、その製品がユーザーに与 える価値を徹底して見直し、「育てた結果ではなく、育てる過程」こそ人々に は大切な価値だと「鑑賞性のデザイン」というコンセプトを提示し、全方位ど こからでも見える水槽のような構成が望ましいとプレゼンしました。 水耕栽培器GreenFarmはデザインで高い評価を受け、他メーカーに対して空間 調和性、鑑賞性、デザイン性などの優位性を保つすることで常にシェアNO1を 守り続けています。 ○地域にデザインで還元する アジアのスタジオとして定義していますが拠点は大阪にあります。私が生まれ 育った大阪という街は日本で2番目に大きな街でありながら、一般層のデザイ ンに対する興味はその他の街よりも低い街です。またミラノ、パリ、ロンドン、 台北、上海など多くの街とデザインの関係をリサーチする中で「一般の方のデ ザインの関心度」が日本はとりわけ低いと言うことを感じました。東京も例外 ではありません。私はデザインに寛容な街をデザインすることで飽和した社会 の中にも新たな豊かさを見つけ出せると考えています。そのために「地域にデ ザインで還元する」ような活動が必要だと考え、学生と現場のデザイナーをフ ラットに結ぶ交流会「ポートフォリオナイト」を開催したり、国内外12組のデ ザイナーによるショーケースを「Viva la Vino」を東京ではなく大阪で行うこ とで、自らを育ててくれた街にデザインで還元し、ビジネスとは切り離した考 えで新しい土壌を作ることを日々行っています。 ○ミラノサローネというところ 私は2001年ごろに雑誌「Casa」でミラノサローネを知りました。フィリップ・ スタルク、ジャン・マリー・マソー、マーク・ニューソンなどの不朽の名作が 新作として発表の場を迎えていました。その紙面はキラキラと輝いて見え、い つか行きたいと思うようになり、2004年、2008年と出張でその夢を叶えること ができました。その時に知人が出展していたことで立ち寄った「サテリテ(35 歳以下限定の展示)」には、当時の自分と同じくらいの年齢の人たちがプロト タイプを展示し世界と戦っていました。その時に私は「いつかここに出展した い」と思うようになり、サローネに憧れて11年後の2012年その夢は叶いました。 2015年2度目の出展を果たし、国外のプロジェクトが多数スタートし、サテリ テの3度目の出展を2016年行うことに決めました。素材の意味性、文脈、製造 方法などと自分たちを想いクロスオーバーさせたものを、世界最高峰の展示ス ペースにて問いたいと考えています。 江口海里 http://kairi-eguchi.com/ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「家電の未来は?」 先日ダイソンのコードレスクリーナーを購入した。ルンバも数年前から利用し ている。従来型の掃除機もまだあるが、ほとんど出番はなくなった。掃除機は 海外勢に任せることになったわけだ。 ディスプレイ、Bluetoothスピーカー、モバイルバッテリー、USBケーブルなど、 PC周りも欧米の製品が増えている。べつに高級志向というわけではないし、海 外製品にこだわっているわけでもないが、目的、価格、機能、デザインなどを チェックしていくとそうなった。 国内メーカーは最近特に最大公約数的な製品ばかりのような気がする。そこを 海外勢に突かれているのではないか。 現在は、Kickstarterのようなクラウドファンディング系のモノ作りも見逃せ ないが、「個人製家電」の動向も注目したい。デジタルファブリケーションの 時代になってモノ作りの敷居が低くなり、企画力やスキルがあれば、1人でも 家電を作ることができる時代だ。 インターネットが新聞やTVの権威を失墜させ、メディアをフラットにしたよう に、モノ作りの世界においても、巨大企業と個人がフラットに競うことができ る、新しいスタートが本格的に始まるのかもしれない。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 スマートフォンの周辺機器が面白い。先日も広角系レンズセットや、ミニミニ 三脚を買った。いずれもランチ程度の金額で買えるものだ。写真は「スマホで 撮って見るもの」になったので、周辺機器が充実してくるのも当たり前かもし れない。少し変わった写真をSNSにアップしてみようかと思っている。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.71 2016年2月26日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛