┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第68号・・・2015/11/27       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第68号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第44回:石垣 陽 ●編集長のミニコラム 「iPad Proの可能性」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第44回:石垣 陽 城県石巻市の「ヤグチ電子工業」でデザイン・エンジニアをしています、石垣 と申します。震災をきっかけに、OEM生産で培った技術を活かしたプロダクト をデザインしようと奮闘しています。コンセプトは、「オープンデザインで社 会を巻き込む」です。 ○石巻発、世界に広まる「ポケットガイガー」 きっかけになったのは、スマートフォン接続型の放射線測定器「ポケットガイ ガー」の開発でした。これはスマホ、GPS、SNSを連携することで、放射線を 「測定」「共有」「議論」できる世界初の線量計です。クラウドファンディン グサイトKickstarterでコンセプトデザインを発表したところ、世界23ヶ国の 人々から出資を得て生産に漕ぎ着けることができました。 計算をすべてスマホ側で行うため生産コストが安く、初期モデルはFRISKのケ ースを使うDIY製品だったこともあり、1,850円という驚異的な価格でリリース できました。 クラウドファンディングを使った点、DIY製品にしたこと、設計図をオープン にし、SNSと連携したことから、世界中から無数のアイデアが集まりました。 例えばオランダ国防省や計量局の専門家が性能証明書を送ってくれたり、デザ イナーが説明書のインフォグラフィックを作ってくれたり、回路・UI・意匠な どさまざまな改善案も寄せられました。今では大学や行政機関との共同研究も 始まっています。 おかげさまでスマホ+センシングの分野では、当社は世界最先端のレベルに達 していると思います。そして今、PM2.5や水質汚染など、よりグローバルな環 境問題を視野に入れて研究開発をしており、これも近々オープンソースにした いと思っています。 参考:ポケットガイガーWebサイト http://www.radiation-watch.org ○見えないディスプレイ、「ホワイトスクリーン」 震災で割れた液晶画面を見て、工場長が「見えないディスプレイを作れないか な?」と言い出しました。液晶画面は複数のレイヤ構造になっており、「偏光 フィルム層」だけをキレイに剥離すると、眼には見えない真っ白なディスプレ イ(ホワイトスクリーン)を作れるのです。そしてサングラスを掛けるように、 偏光フィルムを通してホワイトスクリーンを見れば、元通りに映像を見ること ができます。 こんな不便な液晶を誰が買うのか? ニーズは? マーケットは? 社内でブ レーンストーミングをしても一向に結論が出ません。そこでDIYの祭典「Make」 や「産廃サミット」など、クリエイティブな人が集まる場所に置き、種と仕掛 けのすべてを公開してみました。 最初に声を掛けてくださったのは、takram design engineeringというデザイ ンファームです。ミッドタウンの展示イベントで「音と可視化」をテーマにし た作品を作るので、この技術を使えたら面白いんじゃないか? というお話し でした。 参考:「音めがね」(takram design engineering) http://www.takram.com/ja/projects/otomegane/ この展示会は22万人が来場する盛況ぶりだったようで、それがきっかけとなり、 まったく縁のなかった広告代理店やサイネージ業者とのつながりが生まれまし た。これまでに大手化粧品メーカー、宝飾チェーン、国際ファッションブラン ド、タバコメーカーのキャンペーンに採用いただき、今年からは上野の国立科 学博物館にも常設展示として採用されるなど、着々と出荷数を増やしています。 ○小児を弱視から「開放」する、オクルパッド 私は社会人になってからデザインに興味を持ち、多摩美に通っていたことがあ ります。ある先生が「アートの強みは、誰よりもまず目立てることだ」と言っ ていたのですが、それを実感したのがこのプロダクトです。 突然、「音めがね」を見たという眼科の専門家から会社に電話がありました。 「世界中で2〜3%の小児が発症する弱視という病気がある」「ポピュラーな治 療法はアイパッチといって健康な眼に絆創膏状のものを数ヶ月貼る」という話 しでした。頭の中に「???」がたくさん浮かびましたが、「アイパッチを嫌 がる親御さんや、カブレなど副作用があって使えない患者さんも多い」「ホワ イトスクリーンの技術を使って新しい治療機器を作れないだろうか?」と聞い て、これは何か新しいコトが起こると直感しました。 その後、2年に及ぶ試行錯誤と臨床試験を重ねて誕生したのが、世界初の両眼 開放下(=両眼を開けたままの治療)によるタブレット型視機能検査訓練装置 「オクルパッド」です。 参考:オクルパッド(販売:ジャパンフォーカス社、医療関係者向けコンテン ツです) http://www.jfcsp.co.jp/products/other-m/o-jfc/1413 すでに国内の眼科医院に展開しはじめていますが、小児の弱視だけでなくスポ ーツ選手や高齢者の視能訓練へ応用したいという要望や、出生率の高い米国・ インドの専門家からのオファーも来ており、新しい展開が期待される次世代の 医療機器だといえます。 ○まとめ 「オープンでフェアな企業活動」は、1974年ヤグチ電子工業創業からの理念で す。オープンなスタンスで社会に何かを投じれば、クリエイティブな人々から 必ず波が返ってきます。それらの波打ち際にこそ、新しいデザイン・アイデア が潜んでいると思います。 新しいアイデアをお持ちの方、ぜひヤグチ電子工業までご連絡をお待ち申し上 げます。 石垣 陽 ヤグチ電子工業株式会社 取締役CTO デザイン・エンジニア、博士(工学) http://www.yaguchidenshi.jp ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「iPad Proの可能性」 iPad Proに触れる機会があったので、そのインプレッションを少し。外観は 12.9インチのRetinaディスプレイを搭載したビッグなiPadなのだが、画面サイ ズが大きくなることで、これまでのiPadから一歩別のステージに進んだような 気がする。一言で言えば「出力・閲覧デバイス」から「入力・編集デバイス」 への進化といえるかもしれない。タブレットは主に見るものという役割から、 パソコンのような入力機への一歩を踏み出したのだ。 その1つが「Apple Pencil」を用いて詳細な絵を描くためのツールとなったこ と。これはデザイナー、イラストレーターにとって強力な武器になるかもしれ ない。ベクター系やCAD系のアプリまで充実してくれば、本格的な業務の上流 工程に欠かせないツールになるだろう。 もう1つはファブリック名テクスチャーの「Smart Keyboard」。これを組み合 わせることでノートPCのようにテキスト入力が行える。また、ソフトキーボー ドも画面サイズが大きくなった分打ちやすくなった。 iPad Proのように、タブレットとノートPCのハードウェアのボーダーが曖昧に なってくると、今後は、iOSとMacOS、WindowsとAndroid上のアプリの歩み寄り も気になってくる。 そしてこれらのハードは最終的に、Apple Watchのようなスマートウォッチ的 デバイスに収束するのではないかと妄想している。その場合のディスプレイや キー入力をどのように行うかはまだ想像つかないが。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 何故かオフィスに預かりモノの楽器が増えています。エレキギター、エレキベ ース、ミニシンセ。それに自分の所有楽器エレキアップライトベース、アコー スティックギター、ウクレレ、ハープを入れると、なんと7つも楽器が置いて ある。あとドラム系の楽器があればセッションが可能になった!(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.68 2015年11月27日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛