┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第49号・・・2014/4/25       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第49号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第25回:吉田 真也/SHINYA YOSHIDA DESIGN ●編集長のミニコラム 生き延びてきたデザイン ●Kindle書籍「女子デザイナーの歩き方」発売中! ●編集スタッフ募集 ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■製品設計に係わるデザイナー&エンジニア向け構造設計ツール ━━━・‥‥…   solidThinking製品発表会 5月21日(水)@六本木ヒルズアカデミーヒルズ   http://www.sotuu.net/altairjp/solidthinking.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第25回:吉田 真也/SHINYA YOSHIDA DESIGN 〇自動車整備からデザイン 私は現在、プロダクトデザインを中心としたデザインの仕事をしています。現 職の前は自動車整備士でした。私が、なぜ自動車整備士から転身したのか、特 異な経歴だと思いますので、少しお話させていただきます。 自動車整備士の仕事とは、お客様の車の点検整備を行って、その不具合を解消 し、自動車本来の性能を発揮させるというものです。お客様の命を乗せる車を 整備する、責任重大な仕事です。また、整備という仕事は、車のメカニズムを 理解していないとできません。自動車では、カッコいいボディといった外観の スタイリングが注目されますが、そのボディの内側には、機能を生み出す部品 たちが詰まっています。 ところで、車に使われている部品点数はいくつあるかご存知でしょうか? 小 さな部品まで数えると、2〜3万点にも及ぶと言われています。使用されている 素材も、金属、ガラス、樹脂、ゴム、革、繊維など多種多様で、自動車とは、 素材とテクノロジーの集合体だということが分かります。 このように多くの素材と部品が高度な設計により組み合わさり、さまざまな物 理現象を伴いながら車は動いています。普段私たちが車について当たり前に体 感している、「走る」「曲がる」「止まる」というという性能は、実は非常に凄いこ となのです。私自身は車のスタイリングのカッコよさ以上に、その性能を生み 出す部品の形状や構造に興味を持ち、日々部品を見ては感動していました。 車のどの部品1つをとっても、その素材や形状には設計者の情熱と創意工夫、 そして日本の技術力が込められています。不思議な形をしている部品も「なる ほど!」とその理由に気づけた瞬間には妙に心地よい感覚を得たのを今でも覚 えています。整備士の仕事を通して、普段あまり意識しない物事の裏側を読み 解く楽しさを知り、何気なく街を歩く時にもいろいろなことを観察し、以前よ り多くの気付きを得るようになりました。 今思えば、車の不具合をあらゆる手段で問診して問題点を見つけ出し、最適な 方法を選択して解決へと導く、それはまさにデザイン行為によく似た要素を持 っていたようにも思えます。今では“多角的な視点で気づきを得る”ことはデ ザインにおいて非常に重要な事だと感じています。 〇デザインとの出会い その後ますますデザインへの興味が高まり、整備士を退職してデザインを学ぶ ために専門学校に入学しました。そこでは、私が大きく影響を受けた、故・加 藤雄章先生との出会いがありました。加藤先生は武士道を重んじるサムライの ような先生で、小手先のスキルではなく、まずは人間として必要な“心得と姿 勢”を教えて下さいました。デザインの手段やツールが高度化した現代でも、 それを扱うのはデザイナーの心。デザインには心が現れる。芸術的なセンスや 才能のみならず、自分自身の人としての在り方や質を高めることが、デザイナ ーとしてなにより大切なことだという加藤先生の教えは、今でも私の根幹とな っています。 〇最近のこと 少しずつですがご縁にも恵まれて、町工場の技術サンプル、アーティストが使 う一点物の小道具や家具のデザイン、その他には建築パースやCGの制作など、 徐々に仕事の幅も広がっています。個人のデザイン活動以外には、専門学校の 非常勤講師として、Rhinocerosという3D CADやプロダクトデザイン実習の一部 を担当させていただいたりもしております。 最近の仕事では、秋田木工株式会社から製品化されることになった「Tree han ger」がようやくリリースとなりました (http://www.akitamokko.jp/good_design/)。 「Tree hanger」は、曲げ木による支柱とそれらを束ねるフックのみで構成さ れ、使う人が自在に高さを変えられるフックと、簡単にノックダウンができる 構造が特徴のポールハンガーです。この仕事を通して、曲げ木の技術や木材産 業についても学ぶ良い機会となり、同時にたくさんの方々と出会うこともでき ました。そしてハンガーの開発以降も秋田県の地域材の活用事業にも携わらせ ていただいており、本年度中には成果物を発表できる予定です。これからも、 自分のデザインを通して地場産業に少しでも貢献していきたいと思います。 〇興味のあること、これからのこと 幼い頃から素材や構造に興味があったので、昔から形状記憶合金、偏光板、示 温塗料など、面白そうな素材は何でも触っていろいろな実験をしていました。 最先端の素材にも興味がありますが、最近では自然の中で生まれる素材に、よ り魅力を感じています。同じ木でも気候や土壌が違うと姿かたちが異なります。 自然が作り出すものは完璧な合理性と偶然が生み出す不完全さを併せ持ち、非 常に魅力的で愛着が湧きます。今まであった素材でも新しい組み合わせで性能 を高めたり、異なった技術と組み合わせて価値を高めることができると思うの で、ぜひ素材・技術マニアになりたいです。 その他には、さまざまな業界で職人や技術者と言われる人たちが使う“独特な 道具”に興味を持っています。例えば、作業目的やその人の特性に合わせてカ スタマイズされたオリジナル工具や、本来その目的のために作られていないも のが最適の道具になっている場面などです。1/100、1/1000の精度を要求され る金型の仕上げに、竹串や楊枝が道具として使われたりします。普通の人が見 たらただの竹串も、その絶妙なしなりと硬度が人間の手の感覚と馴染み、職人 の能力をより引き出すところは非常に面白く好奇心を掻き立てられます。その ような工具や職人さんの仕事が見られる現場が好きで、打ち合わせで訪ねた時 もついつい長居してしまいます。 モノがあふれている現代。今後ますます新しいモノを生み出すことに対する意 義が問われ、自問自答も増えると思いますが、本質的な目的を見極め、社会に おけるモノのサイクルまで見据えた高度なデザインができるよう、常に意識し たいと思います。何事にも臆せずチャレンジし、日々自分自身を研鑽していき たいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。 SHINYA YOSHIDA DESIGN 吉田 真也  http://www.sydesign.jp ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 生き延びてきたデザイン 例えばブランド物でも、著名デザイナーによる製品でも、デザインが果たす役 割の大きな部分は、非日常への誘いだと思う。手元に置いてしばらくは、その 佇まいに魅了される。ただそれも、しばらくすれば、日常の一部になってしま う。デザインは消費される。 そしてまた新たなデザインが生まれ、消費者を魅了する。このサイクルの積み 重ねによって、人々のデザインに対する目は養われてきたのかもしれない。 一方で消費されないデザインもある。その時代、時代を反映したデザインが登 場してきても、それに負けず、淘汰されずに生き延びてきたデザイン。いわば 定番もので、目新しくはないが古さも感じない。ただこういったデザインも、 その誕生当時は非日常的で斬新だったのかもしれない。生き延びたのは結果な のだ。 音楽の世界では、クラシック、民族音楽はもとより、世界をマーケットにした ポピュラー音楽でも、もう半世紀、1世紀の単位で愛され続けている曲は少な くない。 例えばジャズのスタンダードの「Fly Me To The Moon」は、60年前の1954年に バート・ハワードによって作られた曲だが、日本でもプロ、アマ問わず、多く の歌手に今でも歌い継がれ、1995年にはTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」 のエンディングテーマに採用されるなど、若い世代にも親しまれている。 消費されない表現こそ、デザイナーに限らず、すべてのクリエイターの目指す ところなのだろうと思う。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●Kindle書籍「女子デザイナーの歩き方」発売中! 「女子デザイナーの歩き方」 著者:片山典子 定価:上下各500円 カラーズ刊 上巻 http://www.amazon.co.jp/dp/B00HJFTEKQ 下巻 http://www.amazon.co.jp/dp/B00HJT2O8Q ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集スタッフ募集 デザイン、写真、コミックなど各種クリエイター系書籍の発行、 pdweb.jpなどWebサイトの運営を行っているカラーズでは、 編集スタッフを募集します。 20〜35歳くらいまでの男女(見習い可) 5月下旬より週3日〜5日勤務、条件等応相談。 勤務先:東京・渋谷区本町(京王新線幡ヶ谷駅) 応募・問い合わせは以下まで(件名に「編集スタッフ応募」とご記入願います)。 info@superworks.jp 03-3375-5395 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 桜の季節が終わり、つつじの季節です。ふと気づくと景色を見渡す余裕のない 自分に気づきます。連休は、カメラをぶら下げて山歩きしようかと思っていま す。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.49 2014年4月25日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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