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コラム

世界の中の日本デザイン 第23回

世界のトイレ文化
このコラムではコンセプター坂井直樹さんに、日本のプロダクトデザインをグローバルな視点から眺めていただきます。ドメスティックな感性とグローバルな対応力が、デザイナーに求められているのかもしれません。

[プロフィール]
坂井直樹
コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。

 

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▲世界一高機能な日本のトイレ

トイレはどんな人にも必要不可欠な基本的な設備だが、その土地の歴史や文化によってデザインが異なっている。外国のトイレの大半が日本のそれとはおよそかけ離れた、私たちにとってはどこか不安な形をしている。

●アメリカのトイレ

アメリカの公衆トイレの扉は、上下が広く開いている。これはただ単に防犯上の理由だという。その他の設備もシンプルだ。アメリカに限らず、海外の公衆トイレはきわめてプリミティブであり、残念なことに、そのほとんどが衛生的とは言いがたい。人目のつきにくい公衆トイレは犯罪の温床となる場合が多く、盗難も多いため、必要最低限の設備とならざるを得ないようだ。

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▲アメリカの公衆トイレ

●フィンランドのコンポストイレ

環境先進国であるフィンランドでは、微生物によって排泄物を分解し堆肥化するコンポストイレが普及している。メンテナンスとして、中のオガクズを定期的に交換する必要がある。

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▲フィンランドのコンポストイレ


●スペインのビデ

スペインをはじめとする南欧では、ホテルなど公共施設以外の一般家庭でもトイレにビデが備わっている。これは、南欧では水が貴重だったため、入浴の代わりとしてビデで局部を清潔に保っていたことの名残りだという。

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▲スペインのビデ


●日本のシャワー付きトイレ

日本は引き算の文化と言われるが、近年の電化製品に限っては異なる。差別化のためにあれこれ機能を足していった結果、煩雑で使いにくい家電になってしまう例が多々ある。

しかし、ウォシュレットなどに代表される日本のシャワー付きトイレは、その多機能さが評価されている珍しい事例だ。保温・脱臭・洗浄・抗菌と至れり尽くせりのシャワー付きトイレは、家庭のみならず公共施設にも導入が進み、日本のトイレのスタンダードになりつつある。日本でシャワー付きトイレが公的に普及した要因として挙げられるのは、治安の良さが大きい。

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▲日本のシャワー付きトイレ(クリックで拡大)




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