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コラム

澄川伸一の「デザイン道場」

その77:今日は昨日でできている

澄川伸一さんの連載コラム「デザイン道場」では、
プロダクトデザイナー澄川さんが日々思うこと、感じたこと、見たことを語っていただきます。

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[プロフィール]
澄川伸一(SHINICHI SUMIKAWA):プロダクトデザイナー。大阪芸術大学教授。ソニーデザインセンター、ソニーアメリカデザインセンター勤務後に独立。1992年より澄川伸一デザイン事務所代表、現在に至る。3D CADと3Dプリンタをフル活用した有機的機能的曲面設計を得意とする。2016年はリオオリンピック公式卓球台をデザインし、世界中で話題となる。医療機器から子供の遊具、伝統工芸品まで幅広い経験値がある。グッドデザイン賞審査員を13年間歴任。2018年ドイツIF賞など受賞歴多数。現在のメインの趣味は長距離走(ハーフマラソン91分、フルマラソン3時間20分、富士登山競争4時間27分)。



2025年、あけましておめでとうございます。
時間が経つのは早いものです。1日の濃度を上げていきたいですね。

この年明けのタイミングで、意識したいことがあります。今日、今この瞬間の自分自身の状態というものは、自分が選択してきた過去でできているということです。少なくとも身体に関して言えば、100%間違いなく、昨日までに自分が食べてきたもので構成されている。昨日まで、運動をせず、糖質と脂質と炭水化物を過剰摂取していれば、今日の自分自身の姿はその通りの結果になります。そして、筋力は使わなければ、身体が不要と判断してどんどんとなくなって縮小してしまいます。もし、昨日までの生活で、きちんと運動して必要なものを選んで摂取さえしていれば、とりあえず今日1日は、自己嫌悪を感じることなく、軽快な身体で過ごしていけるはず。

身体の現在の状態が少しでもポジティブな状態にセットアップしておくこと。これが仕事をするうえで、最低限必要な準備だと思うのです。寝不足で二日酔いでスタートする朝というのは、とてもその日にいい仕事ができるとは思えない。よく整備された自転車で旅に出るか? それともポンコツのメンテされない自転車で旅に出るか? そのくらいの違いがあるかと思います。

●4か月で生まれ変わる!

人間の細胞は約4か月で新しいものに変わっているという説があります。この年始のタイミングで、今日から4か月後を目標にして、自分の身体の細胞をベストなものにすべて入れ替えてしまおう! といったプランはどうでしょうか? 今日から、4月までの4か月で、細胞を入れ替える意識で身体を浄化していくのです。

まずは水分として、ジュースやアルコールではなくできるだけ純度の高い水を身体に入れること。質のいい水分がとにかく大事です。1日の体内の水分を入れ替える最適な方法は、運動でとにかく汗を大量に出すこと。そのあとに純度の高い水分を入れること。サウナや湯舟は心臓と血管に負担かかるでしょう。大量に汗をかいて、シャワーですっきりした後はやはりビールが格別ですが、ここが我慢の第一関門ポイント。冷たい炭酸水はビール代わりになります。うまく置き換えができるといいです。その後の食事は、可能な限り加工食品を避け、新鮮なたんぱく質と食物繊維に良質の塩だけで味付けするということ。

適度な運動習慣を維持して、4か月ですべてを入れ替えるイメージを持つことです。まずは水分の入れ替えの意識を持つこと。これは身体的なことに限らず、脳細胞にも言えることなのです。4か月後のその素晴らしい状態から逆算した過去が、今日という2025年の元旦なのです。そう考えてみるのはどうでしょう。明日から頑張ろうと思った時点で負けです。今、この瞬間から始めないと今年も何も実現しないでしょう。

●今日は明日への投資

今日という1日の行動を、今日のためではなく、明日のための投資の1日と捉えることができれば、自ずから今日1日の行動内容が決まってくるでしょう。今やるべきことがはっきりしてくれば、あとは個人の行動力で自ずと結果がついてくる。環境的にも、自然と無駄な付き合いもなくなるだろうし、SNSの時間も激減してくるでしょう。

それが明日の自分の状態につながっていく。人生とはその繰り返しで階段を上っていくものだと常々思う。もちろん、本人が登りたくなければ登る必要もない。選択は自由であり、自己責任です。ただ、設定した未来の快適であろう自分の状態をまずは想像して、そこから現在に過去に戻るような意識感覚を持てば、逆算方式でその日その日でやることが設定できるでしょう。そして、よほどのことがない限り、自分で設定したタスクを実行できれば90%に近い確率でその目標は実現するでしょう。階段を見上げるのではなく、「階段の上にいる明日の自分から今の自分を見下ろす感覚」が必要。

●お正月だからリセット!

「時間の逆算方式」は、スポーツや音楽の世界ではそれが当たり前のように設定されています。地区大会からインターハイへとか、大学祭での演奏とかライブハウスでの演奏だとか。どれも当たり前のように逆算方式で行動しているでしょう。お題が出た時から、その練習をスタートしていく。これは仕事においても、ダイエットのような健康目標でもまったく同じようにあてはめることができるはずです。何故か、皆やろうとしないのが不思議でしょうがない。

お正月の初詣って、それだけで非常に気分が新たになるものです。この高揚感は思いっきり活用したほうがいい。昨日までは、だらだらと過ごしていた1日だったしても、年が明ければ不思議とその罪悪感は帳消しになっている。この刷新感を利用して、まずは今日1日の行動とこの1年の行動を自己管理していくのがやはりいい。リセットに適した特別な日なのです。

何はともあれ、今年もどうぞよい1年を!
「階段の上にいる明日の自分から今の自分を見下ろす感覚」のお話でした。


2025年1月1日更新




▲トレーニング中の筆者。怪我しないように、無理なく距離を踏んでおります!(クリックで拡大)


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