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コラム

澄川伸一の「デザイン道場」

その5:2019謹賀新年

澄川伸一さんの連載コラム「デザイン道場」では、
プロダクトデザイナー澄川さんが日々思うこと、感じたこと、見たことを語っていただきます。

イラスト
[プロフィール]
澄川伸一(SHINICHI SUMIKAWA):プロダクトデザイナー。大阪芸術大学教授。ソニーデザインセンター、ソニーアメリカデザインセンター勤務後に独立。1992年より澄川伸一デザイン事務所代表、現在に至る。3D CADと3Dプリンタをフル活用した有機的機能的曲面設計を得意とする。2016年はリオオリンピック公式卓球台をデザインし、世界中で話題となる。医療機器から子供の遊具、伝統工芸品まで幅広い経験値がある。グッドデザイン賞審査員を13年間歴任。2018年ドイツIF賞など受賞歴多数。現在のメインの趣味は長距離走(フルマラソン3時間21分、富士登山競争4時間27分)。


●今は、70年代に思い描いていた未来?

1970年、大阪万博にワクワクの未来を感じた。「未来」ってこんなにすごいんだなと。早く未来にならないかなって、ずっと待っていた。それから、あっという間に50年近く経ち、「当時」の「未来」にいる現在の自分の感想はというと。

「現実の未来は思ったより地味な世界だった。そんなにワクワクしないし」。

身近で感じる未来というのは、テレビの薄さと、電話の進化、あとはウォシュレットくらいだろうか? あと、Suicaの自動改札くらいかも。でも、高揚感のある未来は今もあこがれだし、これからの未来であってほしい。

自分が生きている間に、東京-大阪間をリニアモーターカーで出張してみたいし。可能であれば月旅行や、火星旅行もしてみたい。

しかし、果たして、何が便利になったのがよく分からない未来になっているようにも感じる。時間短縮という命題はあるにせよ、情緒的な未来というのはもしかしたら退行しているのかもしれない。

当時のシンボルの太陽の塔は、日本人特有の土着性があり、永遠に残るような気がする。1970万博のエネルギーが永遠の未来感なんだろう。


●2018年の「つぶやき」のまとめ

SNSで 2018年の1年間、つぶやいていたことを抜粋して、新春のコラムとします。今年はいったい、何を考えるのだろうか。

○自分が知ってることで威張るよりも、自分の知らないことを頭を下げて教えてもらうほうが好きだ。

○僕が引く「線」は全て「詩」なんだ。とか言ってみたい(笑)。

○人生を「直線」ではなく起点と終点のある「線分」だと意識した人から「時間」に敬意を払う。
 
○「美しいものは強い」「儚い」だから「綺麗」。

○しがらみなく、純粋に良いものを「良い」と発言する勇気が尊い。

○フリーランスに必要なのは、明日突然にホームレスになったとしても受け入れる覚悟があるかどうか。

○加熱後に成形して冷やせば「素材」はいろんな形になれる。しかし、どんなに努力しても「鉄」は「ガラス」にはなれない。なる必要もない。自分が「鉄」らしく在ればいいだけだ。

○「力を抜く」とは「力を入れる」瞬間を逆に意識すること。自転車に乗れ始めた頃を思い出せ。常に体中に力が入っていたら転んでしまう。

○ベルトコンベアーの上を走るようなもので、ある速度以上をキープしていないと、進んでいるようでも、実際は遅れているのだ。

 
2019年1月1日更新



▲1970年3月~9月まで開催された大阪万博(EXPO70)には約6,400万人以上が訪れた。その象徴となったのが岡本太郎による太陽の塔だ。写真は筆者撮影。(クリックで拡大)

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