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Column Index
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pdweb.jp プロダクトデザインの総合Webマガジン ●世界の中の日本デザイン
第14回 サッカースタジアムのデザイン(後編)
第13回 サッカースタジアムのデザイン(前編)
第12回 世界各国の寿司のデザイン
第11回 最新の日韓カーデザイン事情
第10回 スマートフォン以前の携帯電話
第9回 シリコンバレーのWebデザイン
第8回 中国の建築」、日本の建築
第7回 椅子のデザインにみる日本と欧米の違い
第6回 世界のコインのデザイン
第5回 アジアの冷蔵庫
第4回 消耗品にも装飾品にもなる爪楊枝
第3回 形状や素材からみる日・中・韓の箸のデザイン
第2回 円盤形ロボット掃除機の米韓日を比べる
第1回 スモールカーの「Cube」と「Polo」は何が違う?

●女子デザイナーの歩き方
第59回 食品パッケージ萌え
第58回:未来を語るとクロスオーバーとかボーダーレスというのか
第57回 【デザインあ】のデザインてなんだ
第56回 やかんは単純だからこそ
第55回 ギターの色気に憧れる
第54回 縁は異なモノ味なモノ
第53回 セグウェイなるものに乗ってみた
第52回 ノスタルジック・プラスチック
第51回 男子がすなる千円カットなるものをしてみた
第50回 レジャーとハイテク
第49回 モノ作りのフォークロア
第48回 モノを売るモノガタリ
第47回 過去/現在/OTOMO/未来
第46回 カメラのはなし
第45回 切手は究極のコンシューマプロダクトの1つかも
第44回 Revolution in the Valley
第43回 私達はこれからの年寄りになる
第42回 温故知新
第41回 特殊なことを初見で誰でも簡単に
第40回 ソーラーパワー
第39回 2011年のグッドデザイン
第38回 助手席のfun to drive
第37回 お互いの思惑
第36回 結果オーライを招く
第35回 プロダクトと模様
第34回 今考えること

第33回 今クラマタ&ソットサス

第32回 チープ&テクニカル
第31回 カワイイの外のサムシング
第30回 白といういろ
第29回 ヨーガンレール:自然に欲しいものを作る
第28回 「フォークの歯はなぜ4本になったのか」そして
第27回 超専門なプロダクト
第26回 樹は木という材料になる
第25回 ポータブル・ビッグモニター
第24回 デザインの境界線を探る
第23回 靴を作るように作る
第22回 サスティナブルなデザイン
第21回 五感と能力
第20回 住む装置
第19回 お正月はにっぽん
第18回 2009年:みんなchangeを求めてる、けど
第17回 テーブルはただの“板と四本足”なんだけど
第16回 新技術とデザイン
第15回 キラキラ感
第14回 ブラウンのデザイン
第13回 老舗の技
第12回 教える、伝える、期待する
第11回 スーベニールというプロダクト(海外編)
第10回 デザイナーズ・スキル・スタンダード:その2
第9回 デザイナーズ・スキル・スタンダード:その1
第8回 食べたくなるプロダクツ
第7回 女子の思考、男子の思考
第6回 おまえの性能を見せてくれ
第5回 プレゼントって何だ?
第4回 デザイン系アウトドア
第3回 3Dモデリング道
第2回  古着屋で出会ったエンスーな扇風機
第1回 母と作ったワンピース

●モバイルデザイン考
第66回 ソーラーパネルやハンドルで電気を自給自足するデジタルカメラ「SUN&CLOUD」
第65回 ボディデザイン、機能、操作性で新境地を拓いた「PowerShot N」
第64回 スライド開閉式キーボード、エレコム「TK-FBP049E」を試す
第63回 ポストジョブズの製品「iPad mini」のディテールを見る
第62回 iPad用スイング・アクティベーション・キーボード「TK-FBP048ECBK」
第61回 ブラック・アンド・デッカーのジャイロスクリュードライバー「 GYRO36」
第60回 ジョブズのいないアップルが生んだ「iPhone 5」に見るデザインの変化
第59回 キャンプなどでの調理やUSB給電が可能な薪コンロ「BioLite CampStove」
第58回 来るべき3Dプリンタ革命の第一歩、低価格キット製品の「Printrbot」
第57回 コンセプトの違う2つのiPhoneカバー
第56回 モホックの便利機能を持った折りたたみ傘「スマート・アンブレラ」
第55回 ティーンネイジ・エンジニアリングのポータブルシンセサイザー「OP-1」
第54回 ロジクールのコンパクトなモバイルマウス「Cube」
第53回 iPhone 4/4S用アルミニウム削り出しケース、入曽精密「REAL EDGE C2」
第52回 狙って撮るだけのプロジェクター付きビデオカメラプロジェクター 、3M「CP45」
第51回 iPhone 4/4Sで360度VRビデオが気軽に楽しめる「GoPano micro」
第50回 ”少しいいこと”をして作られたiOSデバイス関連プロダクト群「サンプルプロジェクト」
第49回 3代目でさらに進化したプロジェクター内蔵カメラ、ニコン「COOLPIX S1200pj」
第48回 独自の付加価値を実現したデジタルフォトフレームパロットSpecchio/DIA
第47回 画期的な構造の次世代自転車 「mindbike(マインドバイク)」
第46回 3Mの最新ポケットプロジェクター「3M MP180」
第45回 確かにスマートなiPad向け新機軸アクセサリ「SmartCover」
第44回 iPhoneで揺れの少ない動画が撮れる「Steadicam SMOOTHEE」
第43回 第6世代iPod nanoをプレミアムウォッチ化する「TikTok+LunaTik」
第42回 ポータブルスピーカーの機能と性能を革新するジョウボーン「JAMBOX」
第41回 iPhone 4専用三脚アダプタ兼スタンド「Glif」"
第40回 デザイナー/クリエイターをリスクフリーで支援する"Kickstarter"
第39回 G-SHOCK的発想のケータイ&iPhoneケース「X-STYLE HARD CASE」
第38回 再び新たな原型を作り出したアップル「iPod nano」
第37回 さらに進化した高遮音性イヤフォン、シュア「SE535」
第36回 アップル「iPhone 4」
第35回 パロット「Zikmu & Grande Specchio」
第34回 アップル「iPad(16GB Wi-Fiモデル)」
第33回 ソニー「ドックスピーカー/RDP-NWV500」
第32回 Evenno「Fingerist」
第31回 Think Tank Photo「ローテーション360」
第30回 ソニー「ブロギー/MHS-PM5K」
第29回 アップル「Magic Mouse」とロジクールの2つのマウス
第28回 新しいスタイルのデジカメ登場リコー「GXR」
第27回 デモバイルな工夫を感じる折りたたみ傘「センズ・アンブレラ」
第26回 デジカメの1つの進化系を実現したニコン「COOLPIX S1000pj」
第25回 フェールラーベンの多機能バッグ「ディペンドラートラベルバッグ」
第24回 民生用3Dデジタルカメラ、富士フイルム「FinePix REAL 3D」
第23回 デジタルで復活した名機「オリンパス・ペン」
第22回 電子ペン、MVPenテクノロジーズ「MVPen」
第21回 ソニー、サイバーショット「DSC-HX1」
第20回 キヤノン28mm12倍ズームデジカメ「PowerShot SX200 IS」
第19回 ソニーデータプロジェクター「VPL-MX25」
第18回 デジタルカメラ付きプリンタ「XIAO」
第17回 VGA/ビデオ両用のポケットプロジェクター「3M MPro110」
第16回 実用域に達した真にポケットサイズのプロジェクター
第15回 光学のニコンが送り出すヘッドマウントディスプレイ「MEDIA PORT UP」
第14回 薄さと機能向上の絶妙なバランス「iPod nano 4G」、「iPod touch 2G」
第13回 モバイルデバイスの充電ソリューション「The Sanctuary」
第12回 徒歩や自転車にも対応するPND「nuvi 250」
第11回 「iPhone 3G」が到達したデザインに迫る
第10回 モバイルスキャナPFU 「ScanSnap S300M」
第9回 ソニー リニアPCMレコーダー「PCM-D50」
第8回 携帯するテレビの1つの到達点ソニー「XDV-D500」
第7回 文具に潜むモバイルデザインのヒント
第6回 ワイヤレス時代の極薄フルサイズノート「アップルMacBook Air」
第5回 モバイルデザイン十ヶ条
第4回 ソニー パーソナルフィールドスピーカー「PFR-V1」
第3回 iPodケース3点〜きわみ工房「Re-nano」他
第2回 アップル「iPod touch」
第1回 三洋電機「Xacti DMX-CA65」

●デザインの夢
第10回 アメリカの抱える問題点に触れた:その2
第9回 アメリカの抱える問題点に触れた:その1
第8回 カーデザインを取り巻く状況
第7回 不況時代のサバイバル
第6回 ブラウンのデザインの変化
第5回 欧米と異なる、日本のデザインスタイル
第4回 不明瞭な「デザイン」という概念
第3回 フィリップ・スタルクの引退宣言に思う
第2回 予測不能のマーケット
第1回 夢は終わらない

●経営者が選ぶデザイン
第10回 ミニマリズムとは何か
第9回 電子機器のデザインとモダニズムの限界
第8回 モダニズムから合理的なデザインへ
第7回 デザイン事務所を見極めるヒント
第6回 想像を超えたフリーランスデザイナーへの要求
第5回 フリーランスデザイナーに依頼がくる仕事のパターン
第4回 デザイナーと密接な関係にあるエンジニア
第3回 記録的長時間のプレゼンテーション
第2回 最後は女子社員の多数決ですか!?
第1回 あるワンマン社長とのバトル

●プロダクトデザイナーになるための10の条件
条件その10 説得力
条件その9 社交力
条件その8 計画力
条件その7 協調力
条件その6 統制力
条件その5 表現力
条件その4 展開力
条件その3 応用力
条件その2 解析力
条件その1 観察力

●Buyer's Mind
第2回 東京・青山「SEMPRE」
Part 2 店舗経営のコンセプトと作り手へのリクエスト
Part 1 センプレデザインはどんなショップ?
第1回 東京・原宿アシストオン
Part 3 バイヤーから作り手へのリクエスト
Part 2 顧客ターゲットと品揃えの方法論
Part 1 AssistOnはどんなショップなのか?



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* pd Column
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経営者が選ぶデザイン
第9回: 電子機器のデザインとモダニズムの限界



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芝 幹雄
1983年多摩美術大学デザイン科卒業、GKインダストリアルデザイン研究所に入社。1990年株式会社GEO設立に参加、医療機器の設計とデザイン、その他産業機械の設計を手がける。2007年3月独立、株式会社SHIFT設立。同社代表取締役。
http://www.shift-design.jp/
* ●モードというスイッチ

Form Follows Function。その他にもモダニズムの思想を端的に表現する言葉はいくつかあるが、やはりこの言葉を抜きにしてモダニズムを語ることはできないだろう。日本語では「形態は機能に従う」となる。つまり、デザインはそのものの持つ機能をそのまま表現していることが望ましいというのである。

80年代半ば、我々はあるスイッチの存在に頭を抱えていた。今ではどこでも見かける「モード」などと表示されるスイッチである。「なぜそんなものに頭を抱えるのか」と思うだろうが、その頃は電子機器をデザインするにあたっては見過ごせない問題であった。そして、そんな些細に見えることから、モダニズムの庇護の下にあったデザイン界に揺らぎが起こりだす。

それまでの電子機器といえば、単純な機能のものは操作スイッチは少なく、複雑な機能のものはスイッチも多く、操作も難しくなるのが当たり前。つまり1つのスイッチは1つの機能しか持っていないから、複雑な機能を持てば持つほどスイッチの数は増えてくる。その複雑になった操作を分かりやすく間違いなく操作できるよう、それぞれのスイッチの持つ機能を考え、それに応じてスイッチそのもののデザインを変えたり、配置を考えたりした結果が機器の顔を作るわけで、デザイナーの腕の見せ所であり、モダニズムのセオリーにも矛盾がなかった。

ところが機器の中にマイコンと呼ばれる電子部品が搭載され始める。このマイコンのおかげでデザインの概念を根底から考え直さなければならなくなるわけである。その原因を作った1つがモードを切り替えるスイッチの存在だったのである。このスイッチ1つで10ある機能を5個のスイッチで扱えるようになる。さらに液晶や蛍光表示管と組み合わせればもっと少なくすることが可能になる。

これが、それまでデザイナーが考えていた機能と形態の関係性を崩壊させる始まりで、モダニズムの思想が揺さぶられる第一の波でなかったかと筆者は考えている。業界内にもインターフェイスという言葉がまだそれほど認識されていなかった時代のことである。

●産業革命から電子化革命へ

Form Follows Function、この言葉はもともと「機能に関係ない装飾を排除すべし」という思想を表現したものであったはずである。乱暴な言い方をすれば、モダニズム以前の家具や建築は装飾が多ければ多いほど高級、装飾のないものは粗末なものと考えられていた。そのような考え方は現在でも工芸品の世界では当てはまるのかもしれないが、当時は身の回りにあるほとんどのものがそのような考えで作られていた。

そんな時代に、世の中は工芸品を工業製品に置き換えなければならなくなる。効率よく大量生産するために装飾的な部分を排除することが求められたのは自然の成り行きであり、そのためには今までの古い価値観を逆転させることが必要になった。それを見事にやってのけたのがモダニズムであり、その後の時代の主流となっていったのである。

しかしその思想を生んだ産業革命に続いてやってきた次の大波が、電子化革命であったわけである。

トランジスタに始まり、ICが誕生し、さらに集積化された電子部品はより多くの機能を数ミリのパッケージの中へと押し込んでいった。その時点でデザイナーたちは表現すべき機能とは何かを見失いはじめ、人間の能力を超えた機能をどう扱うのかという議論の中で、モダニズムに限界を感じ始めたのではなかろうか。

そして「インターフェイス」という言葉も世の中に定着し、タッチパネルとGUIを組み合わせ、スイッチが1つもない電子機器が登場する。ある企業ではプロダクトデザイナーの数より、インターフェイスデザイナーの数のほうが上回ったとも聞く。

ではモダニズムはその役割を終えたのであろうか。筆者にはそうは思えない。大きな屋台骨としてデザイナーを庇護するものではなくなったかもしれないが、基礎として揺ぎなく存在していると思う。それは今までデザイナーたちが何を議論してきたかではなく、議論が必要であるという態度そのものではないだろうか。それを認識しているか、いないかがデザイナーの資質を大きく左右するのだと考えている。

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