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コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第45回:純粋に自分のためだけに絵を描く行為
魅惑的な「非正気」の世界。アウトサイダー・アート


坂井直樹さんのコラム「デザイン色眼鏡」では、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

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[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●アウトサイダー・アートとは

アウトサイダー・アートの支援を行っている杉本志乃さんにお目にかかって、アウトサイダー・アート(アール・ブリュット:生の芸術)の作家は、人に見てもらうことを前提としていないと伺って「なるほど」と腑に落ちた。他者の評価など考えずに純粋に自分のためだけに絵を描くのだ。不可思議で魅惑的な「非正気」の世界。

アウトサイダー・アートは、正統な美術教育を受けずに制作された作品群や、美術業界の外部の作品を指し示す。フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(写真1)は、特に精神病院の患者や子どもが描いた絵に対して、アウトサイダー・アートとしてスポットを当てた。デュビュッフェが1945年にアール・ブリュットと呼んだ強迫的幻視者や精神障害者の作品。

また、1972年にイギリスのロジャー・カーディナルは、精神障害者のみならず、社会の外側に取り残された者、美術教育を受けていない独学自習の作品として、アウトサイダー・アートの概念を広げた。

●孤独な制作作業

たとえばアウトサイダー・アートの画家アドルフ・ヴェルフリ(写真2)。刑務所に入ったあと監禁された精神病院で絵を描きはじめ、2万5,000ページにおよぶ膨大な架空の自伝を制作した。

40年間、小さなアパートで空想の戦争物語を挿絵とともに描き続けたヘンリー・ダーガー(写真3)。『非現実の王国で』の作者である。誰に見せることもなく半世紀以上もの間、たった一人で作品を描き続けたが、死の直前にそれが発見されアウトサイダー・アートの代表的な作家として評価される。


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写真1:ジャン・デュビュッフェの作品。(クリックで拡大)

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写真2:アドルフ・ヴェルフリの作品。(クリックで拡大)

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ヘンリー・ダーガーの作品。(クリックで拡大)









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