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コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第18回:六本木ヒルズ森美術館にて2016年3月6日(日)まで開催
村上隆の五百羅漢図展に行ってきた


坂井直樹さんのコラム「デザイン色眼鏡」では、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

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[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●芸術には、世界基準の戦略が必要である

「村上隆の五百羅漢図展」に行ってきた。「螺鈿漆器のように狂うほどの精緻で美しい村上芸術」にフォーカス。この絵画は芸術ジャンルだけではなく、日本が世界へ誇るべき最先端技術だ。「村上隆の五百羅漢図展」は猪子寿之さんも絶賛していたこともあって、ずっと行きたかったが、やっと今日行けた。

「アーティストは起業家である! 芸術には、世界基準の戦略が必要である」と語る村上さん。

欧米富裕インテリ層を中心とした、アートマーケットの構造を研究するだけでなく、「アート市場は株式投機と同じである現実」を示し、その対策をアーティストとして実践したと書籍「芸術起業論」で書いている。また書籍「芸術闘争論」では「狂うほどの精緻さにあり、つまりそれらは、芸術ジャンルだけではなく、日本が世界へ誇るべき最先端技術である」と語る。


●全長100メートルの極彩色超巨大絵画とSNS

展示の目玉は高さ3メートル、全長100メートルの極彩色の超巨大絵画「五百羅漢図」だ。横山大観の「生々流転」など過去の絵画を研究し、現代の羅漢図を創り上げた。村上隆さんの絵画の仕上げの美しさに感動した。まるで螺鈿漆器のように細密で美しいことに注目するためマクロの画像を撮ってきた。

もう1つの評価は撮影自由SNSでのリアルタイムでの投稿自由という普通のルールを適用させたこと。なぜか日本の美術館は撮影禁止がデフォルトになっているが、このSNS全盛の時代に「撮影禁止」にどんな価値があるのか? 確かTwitter、FaceBook、Instagramのマークが会場の入り口にあった。禁止よりOKの方が圧倒的に集客につながるはずだろう。

「五百羅漢図」は、村上さんが指示し、弟子たち約200人が24時間体制で1年足らずで完成させた。作業に励むというアンディ・ウォーホルに学んだであろう分業による工房システムの成果だろう。

そもそも五百羅漢図は、釈迦の弟子たちの修行の姿が理想化された姿で描かれ、信仰の対象となったもの。村上は本作について「祈り的なものは皆無で、まさに“無”みたいな感じで、なんにもない」とクールに語っている。


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「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)


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「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)

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同じく「五百羅漢図」より(クリックで拡大)














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