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コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第12回:ホリエモンのIoT未来論「仕事の無人化は進むけど、怯える必要はない」
食料も住まいも、すべてが無料になる時代

坂井直樹さんのコラム「デザイン色眼鏡」では、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

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[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●ホリエモンの未来論

6月上旬に幕張メッセで行われた「Interop Tokyo 2015」の基調講演は、堀江貴文氏だった。講演タイトルは「IoTで世の中が変わるのか!?」。ホリエモンはIoTの本質をどう捉え、IoTにより未来がどう変わっていくと見通しているのだろうか。「既存の仕事の大半は自動化され、人は要らなくなるが、それでいい。僕は、人はもっと遊んでいいと思っている」と語った。

「食料も住まいも、すべてが無料になる時代」という大胆な仮説だが、そうは言われても、「自分が今までやっていた仕事がなくなるかもしれない」と思えば、普通の人は怯える。だが、こうした従来の常識も、スマートフォン革命やIoT革命は覆していく可能性があるという。

「農業生産のコストは劇的に下がっていく。また、フランスでは食料の廃棄が禁止された。もしかしたらグーグルは将来、広告モデルで食べ物を無料で配るようになるかもしれない」また、住まいについても、自宅などを宿泊施設として貸し出せるWebサービス「Airbnb」のケースを挙げたうえで、「シェアエコノミーを超えて、無料で貸してくれる人もいるかもしれない」とした。

IoTにより、さまざまなモノやコトのコストが劇的に下がっていくことで、「ぜいたくを言わなければ、すべてが無料になる時代がやってくるかもしれない」というのだ。


●産業革命との類似

なお、こうした新しい時代を迎えるうえで、ハードルの1つになるのが人々の「倫理観」だ。IoTによって「今まで人手で行っていた仕事がなくなる」「人はもっと楽すればいい」ということに抵抗感を持つ人は当然少なくないからだ。産業革命の時に同じような議論が起こったことを思い出す。

猪子寿之さんが、変わりゆくメディア環境のなか「ビジネスは、すべてがテクノロジーとなり、そして、すべてがアートであった時のみ、生き残っていく」という言葉にヒントがあるかもしれない。

産業革命は、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった機械工業の導入による産業の変革と、それに伴う社会構造の変革のことだ。経済史において、1人あたりGDPが産業革命以降極端に増加を始めた。初期の頃は工業機械を「汚い手」と呼び「人手で行っていた仕事がなくなる」ことの不安を訴えていたが、新しい産業を生み出し社会はそうはならなかった。

参考Web:
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20150610005088.html

http://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/4025/page/4/Default.aspx


イラスト
Interrop Tokyo 2015で基調講演を行う堀江貴文氏

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産業革命の時代のイメージ




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