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コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第11回:ブランド愛から、一体化のために自分の身体に入れ墨を入れる人々
「ラブマーク」は「ブランド」を超える概念か?

坂井直樹さんのコラム「デザイン色眼鏡」では、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

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[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●ブランドへの愛の強さ

ブランドの差異を調べるときに、そのブランドが誰に極端に愛されているのか? を調べるために、ブランド名(brand)と入れ墨(tatoo)を入れて検索する。

今回はシャネルとグッチとハーレーダビッドソンの例を挙げてみる。

もともと「brand(ブランド)」の語源は、焼印を押す意味の「Burned」で、自分の牛と他人の牛を間違えないよう、焼き印を押して区別していた。そういうことから「商標」を「brand(ブランド)」と言うようになったという。
2005年に刊行された書籍「永遠に愛されるブランド ラブマークの誕生」(ケビン・ロバーツ著)に掲載されている四象限のLOVEとRESPECTが重なる「ラブマーク」に注目して欲しい。「あきらめる前に犠牲を払ってもいい」とブランドへの愛の強さが分かる。

ブランドへの「愛と尊敬」が募って、ブランドとの一体化のために自分の身体に入れ墨を入れる人々が世界にはかなりいる。

Gucciというイタリアブランドはなぜかブラック系の男性がやたら多く偏愛の強さが分かる。一方Chanelというフランスブランドは白人の女性が圧倒的に多い。ハーレーダビッドソンは言うまでもなく丸太のような太い腕のマッチョな身体にイカツイ図柄が彫られている。

●「ラブマーク」の基本コンセプトは3つ
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ラブマークの概念

「ラブマーク」という概念が掲げる基本コンセプトは3つある。

・神秘(Mystery)
自分の考えを100%全開で提示するのではなく、若干の「ミステリアスな部分」をに残しておくことで興味が惹かれる。

・親密(Intimacy)
より個人的な切望を満たすこと。顧客が企業や企業の持つ製品に感情移入するようになるような関係を築く。キーワードは約束、共感、情熱、物語、メタファー、夢、アイコン。

・感性/官能(Sensuality)
情報を得るためには「視覚」「嗅覚」「聴覚」「味覚」「触覚」の五感を通じて行う。言ってみれば情報の入り口だ。この五感に直接的に訴えかけることが重要。

このように列挙してみると人が異性に惹かれるのに近い。そういえば恋人や子供の名前を刺青で彫るというのもスタンダードな愛の表現だ。

世界一ホットな“アイデア”・カンパニーと言われている「サーチ&サーチ」のCEOケビン・ロバーツは、ブランドの次にくるもの、それがラブマークだと主張する。何十回もディズニーランドに行く人がいるのは、いったい何故? ラブマークには、理屈をはるかに超えたブランドへの偏愛的ロイヤルティをもったファンが存在する。

単なるブランドの次の上の次元の姿を極端に愛されているラブマークという言葉で表している。コンセプトとして共感できるのは、すべてが人間のEmotionをベースに考えていることだ。

この3つのコンセプトを強化することにより、生活者をブランドの熱狂的なファンにしてしまうことができる。

 


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書籍「永遠に愛されるブランド ラブマークの誕生」(ケビン・ロバーツ著)

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シャネルのラブマーク

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顔に入ったグッチのラブマーク

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腕に刻まれたハーレーダビッドソンのラブマーク






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