moviti/片山典子
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com |
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先日「コラム読みましたよ」て言っていただいて「全然女子目線じゃないでしょ」て言ったら「えーそうですかね」と言われた。女子だからメイクとかきゃわいいことを書かなくてはと勝手にプレッシャーに感じていただけか。
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そろそろ「Steve Jobs」を買った人は読み終わったんですかね。なんかあの本"ザ・カリスマ"なポートレートのインパクトが強すぎて。だいたいうちのアップルはPerforma/OS7.5、イラレもフォトショもレイヤーがあって、かなりこなれてからのユーザー。とはいえResEditいじったり、DUOとかCUBEとかiPodも初代買ったり結構Macファンの夫を遠巻きにして暮らしてました。だいたいジョブズみたいな上司どうなのよ。にしても年末のNHKの特番を「早くも神格化されているようやなあ」と冷ややかに見ていたら家庭内推薦図書してもらったのがこの本。
「レボリューション・イン・ザ・バレー―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏」(2005年発行、アマゾンでは中古販売)。
AppleIIの後、Macintosh開発の日々を当時のソフトウェア開発者の目から見たエピソードをAndy Hertzfeldが書き出している。当初は本にする予定なくfolklore of Macintosh(マックの伝承、民話)として当時のアップル社員の思い出を集めたサイトが作ったのが発端。今でも見られます。
http://www.folklore.org/index.py
マウスで操作すること自体を商品に落とし込んだり、プロトタイプ機がそのまま開発用マシンになってるような劇的な進化の過程を20歳代のワカモノ集団がワシワシやっていた。コンピュータの偉大な発明"コピペ"も当初は大変だった。単細胞生物が脊椎動物になっていく過程とか、子供が毎日背が伸びる、みたいな毎日イノベーティブじゃないと出荷できないような日々。パソコン詳しくないので分からないが、Steve Wozniakの設計センスに惚れ込んで才能が集まってきた。ソフトウェア開発者をアーチストという語を意識するぐらい尖っていた。Jobsの1983年研修会でのスローガンの1つが「REAL ARTINTS SHIP(本物の芸術家は出荷する)」というのもすごい文章センス。
そうねえ当時はフロッピーだもんね。1.4MBくらいしか容量なかったもの。最小のサイズで最大"楽しい、すごい!"を得るのがクール。すごい計算や表作りじゃなくフツーの人がパッと作りたいと思うものを作例として作る。コンピュータの魅力をぱっと分からせるのがフォントだ、と見極めたのはジョブズすごいな。Susan Kareのグラフィック、素人くさい直感的な良さがそのままで好きだな。32×32のドットで結構表現できるもんだ。
http://kare.com/index.html
ジョブズは何か面白いことがないかとMacチームにちょくちょくやってくる。美しいことにこだわるジョブズが商品クオリティの基準になることが周知されてる。ジョブズが「QuiickDrawでは角丸長方形描けないのか?!」というと、描けるようにしてそのままウィンドウの縁に採用される。メニューにアップルマーク多すぎと言われて、スウェーデンの地図表記のキャンプ場、出し物や呼び物マークを探し出して割り当てる。ジョブズに見せて気に入られたらそれはそれで大変な騒動になる。隠し通して別のフロッピードライバの搭載検討したり、拡張の余地を持たせてから承諾してもらったり。
クリエイターと組織のあり方、早くから官僚的になることを心配している。以下抜粋して引用。
「Bob(Andyの上司)と僕では組織というものに対する考え方がまったく異なっていることのようだった。僕は自分の仕事を単なる職業以上のものとして美化していた。僕はそれを開発している技術的な組織ではなく、僕らが作っているコンピュータそのものに、よりいっそう熱狂していた。その頃の僕は独善的で未熟者だったし、組織の権威などはまったく軽蔑していたから扱いにくかっただろう。それに対してBobは僕がその中で育ってきた無秩序な開発プロセスからMacチームを救うことが自分の仕事と思っていた。」1984年のアップルで、クリエイターをまとめるマネジメントという課題が生まれていた。
ジョブズの「海軍になるなら海賊になるほうがマシ」発言を受けて海賊旗を作ってビルに掲揚したり、忙しい中でも"週90時間労働大好き"Tシャツだの誕生日パーティだのTVゲームマシンを置いたり。自分の名刺に刷る肩書きを自分達で勝手に考えたり。実はこういう傾向って80年代の企業内デザイン部門でもあったんじゃないかな。自由に遊ばないと自由に発想できない、とか。今のオフィスレイアウトと働き方の関わりを考えるムーブメントの原点だろう。一方で、仲良しゴッコやってて生産性が伸びるか? とか、仕事は仕事でプライベートと切り離す、とか、それなら在宅勤務ベースの方がいいじゃん、とか、いろいろ考え方ありますよね。
いずれにしてもこれだけのことを20年経って思い出して描き出せる、というのがいかに黄金時代だったかを物語る。ライブ感のある本でした。さてそろそろ「Steve Jobs」を読んでもいいような気分になってきた。誰かに借りようかな。
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うちでもドットつぶししてアイコン作ったりGifbuilderとか手芸感覚でちくちく作ってたなあ。gifアニメの121-130、161-170は今でもお勧め。
http://home.att.ne.jp/sea/motion/
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