moviti/片山典子
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com |
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ゲリラ豪雨がすっかり定着した夏でした。通称ゲリゴー。
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http://www.g-mark.org/expo/2011/
グッドデザインエキスポに行ってきました。関係者には友達もいるし、ちょっと書きにくいテーマですが、今回はこれを取り上げます。
Wikipediaを参考にしつつ、もともとのグッドデザイン賞とはなんぞや。
通商産業省が創設のきっかけは、1957年当時(戦後高度成長期)日本企業による外国商品のデザイン盗用が外交問題となっていたため、デザインの創造を奨励することで、盗用の防止を図ったのである。1963年に公募制になり、1998年に民営化され、それまでこの制度の業務を委託されていた財団法人日本産業デザイン振興会が主催となった日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨の仕組みである。
http://www.g-mark.org/aginfo/aginfo_01.html
ちなみにあのGマークロゴは亀倉雄策先生作です。
これ読んでる人達の中でどれぐらいが現役の学生さんなのか知りませんが、1980〜1990年前半ってほんと「もののカタチとそれが創るライフスタイル」メインだったんですよ。ぱっと見てカラフルでイケイケで手応えがある。
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民営化でコミュニケーションとか新領域とか新設された。随分変わったなー。以後この13年、出品側も主催側も手探り、だったと思う。
レッドドットやIFなど海外のデザイン賞制度もあるし。D & DEPARTMENT発の「にっぽんプロダクトの再評価」なムーブメントも無視できないだろうし。
おそらくJIDPOや審査の立場からも「どこまでを"デザイン"の評価対象にするのが良い(得である、ということを含めて)のか」を毎年探っているのだと思う。話題性とか。去年のAKB48とか。
あんまりマニアックにしたくないし、それでは内輪ネタだけになって(実際競合他社へのけん制みたいな気分にもなるのだが)社会への働きかけも弱くなる。かといってあまりなんでも取り込むと違和感や雑さを感じる。
4、5年前のグッドデザインファインダーを閲覧してみると、自分が手がけた商品でなくても自分の写真を見返すのに似ている甘酸っぱい気分になる。時代性がありすぎるのだ。時代の変化、イノベーションが速すぎて急速に過ぎていくのだ。審査をする人も大変そうだ。当然ですがメーカー出身か、ずっと独立系か、などで審査基準が異なり、喧々囂々。携帯電話の審査は操作も評価しないとならないから何日もかける、日頃使っている機種(メーカー)の慣れもあるから審査基準が難しいらしい。偉い先生のお墨付きもどうかと思うが、合議制も課題はいろいろあるわけで。
エントリーする立場から言うと、以前は「エライ先生方に見ていただく」スタンスで書類を作っていたが、いつからか「審査する人も同じようなデザインにかかわる人達だし、キャッチーで分かりやすい、共感してもらいやすい文にしよう」と心がけた。
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さらに一般公開になって「デザインの仕事に携わる人」だけでなく「デザインに関心がある人」が見られるようになって、11月のデザインウィークと並ぶ「デザインを通して商品をアピール、プロモートする」機会になった。入り口付近の小さいアイテムが並ぶ4列くらいはすごい混雑だ。できれば奥の方も一通り見て頂いて「言われてみればこれもデザインか」と思ってもらいたいものだ。
私も普段見ないようなアイテムを「デザインの対象」として見られるのが楽しみ。パワーショベルとか。
今回の特徴は、
・規模が小さくなった? 毎年全部見渡す前に体力が尽きていたのだが、今回はだいたい見ることができた。
・大学の研究系が減った、ちょっと前はダンスのパートナーロボットとかすごい動きのロボットがあった。
・見渡すとその年のホットなアイテム、社会的関心事が分かる。年によってUSBメモリや携帯電話がすごく増えたりする。今年はエネループ系充電池関連、LED照明が増えた気がした。エコやコミュニティなテーマも定着した印象。スタイリングというより仕組み作りというか。
・エントリーする企業、アイテムを絞る企業、やめる企業がはっきり分かれた。・相変わらずSumsung、BenQが多い。でもベビーカーなど分野絞ってヨーロッパのスタンダードプロダクトデザインな商品も見ることができた。
・住宅ってこんなに多かったっけ?
・中規模のデザイン組織を持つ企業のエントリーが減ったのかな。実は有機的なカーブがうねってるパチンコ台とか生なアイデアがそのまま商品になったものとか楽しみにしていたのだが。
・白やステンレスでつるんとした家電の延長で医療器の列があったのが、違和感なかった。これから高齢者が増えるから家庭用医療器が増える、と考えるとそれはいいことなんじゃないかな。
・昔憧れていたようなヨーロッパ製品のようなモノトーンやステンレスでつるんとした家電。インテリアになじみ、本来の機能だけの純度を高めて美しい。でもいつまでもスタティックな印象の外観デザインではどうやって新製品をアピールすればいいのかしら、店頭POP、だけでは寂しいなあ。モデルチェンジのインターバルが延びていくのかしら。定番のリニューアルというか。それはクリエイティブな編集作業、なのか?
一番頭に残ったのが「こどもピーマン」。植物、食物、味がデザインの対象なのか。見た目は緑のピーマン色だが細身のどんぐりみたいなつるんとしたカタチ。パプリカ以上の肉厚、苦みが少なく子供でも食べやすいそうだ。食べたいと思わせるプロモーション効果はあるね。野菜売り場や種苗売り場にあのGマークが並ぶときが来るのだろうか。
あまりに旬すぎるタイミングで賞の対象にするから難しく面白いんだろうな。
でもこれから技術の進度も産地再発見系のコンセプトもサチってくる(木製品のコンセプト"日本の木を見直す"の多いこと)、普遍か時代性か、新しいデザインの対象を探すのか、デザインは続くのだ。
改めて理念や目的を読むと、デザインという活動は非常に崇高なんだな。
http://www.g-mark.org/aginfo/aginfo_04.html
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