moviti/片山典子
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
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今年は気温が週替わりだし、省エネへ心構えしてるからか、天気に敏感になってます。
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前回のchaokaoのイベント、無事終了しました。閉館後の美術館ロビーに500名見に来てくださったらしい。ショー以外にも展示や講演会、ワークショップ、コアメンバーの方々のネットワークで、学生ボランティアなどかかわった人もいろんな世代にわたり、大きなイベントになりました。個人的に美しい、機能的と思っていたタイの民族衣装の魅力を知ってもらい、フェアトレードの振興にデザインが大きなファクターとなったこと、それに微力、遠方ながらかかわることができたのはよかった。
グラフィックデザイン/全体デザインディレクターの山崎加代子さん、長崎の皆さんの人材、機動力はすごいです。街のメンタリティやサイズにも合っていたのだと思う。
ファッションデザイナーがショーをどうやって設計するのか、考えるプロセスを間近に見られたのも貴重な体験だった。洋服を作るだけじゃなくて、見せる場としての時間/空間をいかに演出するか、という脳も鍛えられてるのね。
若手の平田慎二さん、洋服という作品はなくても、素材を活かして凝縮した時間/場をデザインして、彼の世界観を創り出していた。
モデルの歩く動線やタイミングをコントロールしたり場の雰囲気を決定する音楽とのコーディネート。ショー全体の時間をモデルの人数で割って、音楽1曲の長さに割り振る。ミュージシャンと時間の割り振り、キューを出す段取り(観客から見えない位置でキューが出せるようミュージシャンの一人の配置場所を決めたり)ミュージシャンとの打ち合わせにかなり時間を割いていた。
モデルの下駄の足音、ゆったりしたヴォーカルとアコギ、グンデル(ガムランの鉄琴)の生演奏。音楽はアドリブの緊張感のある良さを残しつつ息を合わせるリハーサルを数回行った。
隈健吾さん設計の長崎県美術館のロビーの大階段とエレベーターのレイアウトを活かした場所ならではの動線とストーリー。タイと長崎を象徴する2つの環のテーマは動線にしてさりげなく組み込む。観客とモデルの結界の役割を果たし、動線に沿って等間隔に並べられた120灯のあかり。
あかりの照度とモデルの服を見せるのに充分な照度とが両立しなかった。全体を暗くしてピンスポットでモデルを追うアイデアもあったが、「夜明け前の散歩のような」雰囲気にはならない。そこで最後に完全暗転してあかりの光と音楽を楽しむ時間を作る。
大きなコンセプトとムード、おおまかな進行を当初にざっくり立てて、ハプニングやできないことがはっきりしてくる。その原因への執着はほどほどにして、じゃあ何ができるのか。それを取り込んで詳細を詰めていく。やれなかったことも実は結構多かったのだけど、やってみるとあの場、あの時間じゃないとできない一体感のある"作品"になっていた。無理なくできること、でも最大限活かせること。でもいかにも「力一杯」キリキリした緊張感じゃない、おだやかなアウトプット。
どこまでが定石? どこがコダワリどこがヒラメキ? どこからがナリユキ? なんてもうまぜこぜで分からない、結果オーライで気にならない。
したいことをはっきりさせて、あらかじめどんな要素で構成されているのか頭の中に項目を書きだしておき、準備しておく。それがあればハプニングにも、あるものすべてが活きてくる。
何ができるのかできないのか引き出すこと。まかせることには鷹揚でいること。
こういう切り口やスタンス、日頃つい真正面からモノに向かい合ってマクロに「何だろう」と考えがちだし、他のいろんなことにも通じるなあ、新鮮で勉強になりました。
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