moviti
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと二人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com |
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寒いですね、当たり前か冬だから。寒い日温い日交代にきてだんだん暖かくなることが約束されているのはありがたいですね。
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住む空間について書こうと思います。
珍しいかもしれませんが、広すぎる住空間が苦手です。自分の意識の及ばない天井の隅とか、自分と無関係な空気がすみ着きそうで。押し入れも大きくないので何か買ったときは大掃除してスペースを作る、使わないものを処分しなくてはなりません。冷蔵庫も小さいです、詰め込んで奥のモノを忘れてしまうのが怖いので少しずつ買って回転させる、最小在庫系。おかげで野菜通販サービスが利用できないですが。
どこに何をしまったか覚えていられる脳内体積が少ないのだと思います。
むしろ自分の暮らしに必要最少のモノとかAはBにも使える、この家具が変形してこうなる、というほうが興味があります。キャンプ用品や寝台車ですね。
これはモロ佐貫亦男さんの著作の影響です。この人の道具の本は面白かった、道具の読み方、面白がり方を教えてもらった。若いひと読んでみてください、別バージョンのIDEOぽさがあると思う。
http://www.junkudo.co.jp/view2.jsp?VIEW=author&ARGS=%8D%B2%8A%D1%81%40%96%92%92j(おそらく私は“こだわりのドイツ道具の旅”を読んだと思う、在庫僅少)
海外旅行先で水栓金具や窓の鍵形状をチェックする癖がいまだについてます。新婚旅行でイタリア−パリを個室寝台で1泊しましたもん。きっとキャンピングカーや船上生活も同様の楽しさがあるのだろう。
飛行機のトイレの収納とか見るの好きで、戸棚をぱかぱか開けてみる。飛行機の窓やトランクスペースは大きなRや肉厚なプラスチックが未来的で「装置に包まれる心地よさ」が自分が進化したような気になる。ゆったりした曲面に回り込む光が柔らかくていいんだな。
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9hって建築なのか、プロダクトなのか。
http://www.9hours.jp/
お友達の柴田文江さんのお仕事。去年のAXISでのおひろめが非常に印象に残った。そもそもカプセルホテルに行ったことがない(少し憧れていましたが実際は結構社会のいろんな面が見えるようなディープゾーンらしい)。ふっくらしたちょっと大きめの1人サイズのプラスチック成形。よく考えたら内側が外観の“閉じた形に囲まれる”はあまり見たことがないかも。カプセルを配置する構造とカプセルのパーツのパーティングラインを合わせるためか、上下割りではなく対角線割になっているのもフォルムと合っていて美しい。
入ってみると意外と広く、べたんと座っても天井に余裕がある。クルマの天井のような、でも幅が狭いのが、雪洞みたい。正面から見たときに目につく黒光沢のカーブラインは機器のコンソール。目覚ましはアラームでなく、照明の強さで自然に目覚める、というSFチックな仕様らしい。廣村正彰さんのサインとフォントはほとんど日本語併記の印象がない:スタティックなフリードローイングみたいなカーブのサインがかわいいような冷たいような。カプセルの入り口のカーブとシンクロしていて、全体がシンボリックに強い。映画マトリックスとかジャミロクワイのPVとかに出てきそうだ。ちょっとハードすぎるような印象もあるが、いろんな人が緊張を解く場所だからこれぐらい引き締めたほうが潔いのかな。
後日京都の9hに見学に行ってみた。なるほどカプセルの配置をずらしたのは足音や寝返りが響かなさそうですごく快適に見える。それにしてもカプセルホテルって入り口がロールスクリーンカーテンなんですね。暗い空間にでっかい蜂の巣がぼわ〜っと浮かんでいるようだ、SFっぽい。1人で出張のとき爆睡できそうでよいなあ。ガイジンさんとか泊まってもらいたいな。
ブラック&ホワイトのクールな内装にスタッフの人が熱いハートな人のようだった。まだいろいろお客様の声を聞いたり、清掃など運営しながら試行錯誤している、それはそれで面白いね。しばらくはデザインリテラシーが高い人の利用率が高いだろうから、各地にできる場所選びとかでだんだんホテルとしてのポジションが定まっていくのだろう。ユーザーと作っていく空間。
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テントはポータブルな住空間。
第4回にも書きましたが、テントはほんと種類があるし、面白い。寒さ、雨、霜、虫をしのぎ、安心感を与えてくれる。なんとなく家のミニチュア、シミュレーションぽい。意外にも快適さにおいて大事なのはメッシュの出入り口(虫は入らず風は通す)、前室(軒ですね、靴やごみ、料理道具など外に出しておく、雨のときにはここで調理)。
トレッキングのときは最軽量テント、定位置泊ならベーシックなテントを使ってます。でっかい袋のような布に折りたたんだカーボン製ポールをつないで交差させて張りを作る構造。教会建築と似てますね、アーチ形を固定して剛性を出して体積を稼ぐ、ヒモで張って形がたわまないようにする。類似のものが各社たくさんあって、妙に新しいものはかっこよく見える。万博パビリオンぽいし。
骨格だけ見てるだけでも超面白い、ほほお、ここでこのポールが交差するのか。最近不動産屋のチラシで間取りを鑑賞する間取り図マニアっているらしいですが、テント骨格マニアもいると思う。
http://www.snowpeak.co.jp/catalog/products/list/2
http://cascadedesigns.com/msr/tents/category
最近は1本ポールのテント(おとぎ話っぽい)や2秒で設営できるテントがあります(たたんだ状態は大きめです)。
http://www.blackdiamondequipment.com/en-us/shop/mountain/shelters/mega-light
http://seconds.quechua.com
1本ポールテントはテント四隅を張ってポールの頂点とテンション構造にするのだと思いますが、万一テント内でポールの根元に足を引っかけたりしたら簡単に倒れるのかしら。
2秒テントは弾力のあるホネ環(鋼?)がバネ状に折りたたまれてバッグに詰め込まれていて、投げるとボン!と広がるのだと思います。強風のときは揺れるのかしら。
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狭い空間は落ち着きます。階段の下、押し入れ、トイレ、2段ベッド(特に上段)、畳んだカーテンの間に巻き込まれる。
風邪をひいたときにベッドの周りにリモコン/風邪薬/体温計/飲み物/本/おやつ/タオル/着替え/加湿器で籠城するのも実はちょっと楽しい。手の届くところに一通りあるのは操縦席気分。ベッドのヘッドボードをもっと機能特化して洗練できないかなあ。
Ronan & Erwan Bouroullec、この人たちの仕事は“巣”まで立ち戻って考えたような家具が自由で素敵。
http://www.bouroullec.com/
室内の軒や変形のラグのユニット、撚れた海藻のようなスクリーンなど。集まる場として屋外のモチーフを使うのが、逆に繊細なコドモの空想のような印象。Marcel Wandersもアンニュイなブランコやテントをデザインしてますね。
足がぶらぶらするハンモックとか、ごろっと床に座る/寝転ぶのと、カウンターチェアとかハシゴとか、いろいろ姿勢が変わると頭の回転が変わる刺激になるもんね。ツリーハウスみたいなオフィスとかないのかな。エレベーション(立面図)が複雑だといろんなシーンが生き生きする。
ほんとにコンパクトに住むための空間、狭くても楽しくて空想も集中も相談も収納もできるような仕事場ってどんなだろう。
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