女子デザイナーの歩き方 第72回
テントマニア
moviti/片山 典子
[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com
このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。
風が強かったり急に嵐になったりしますが、いい天気のときは爽やかです。梅雨も猛暑もいらないです。
最近アウトドアな話題を取り上げていなかったので、今回はテントについて。
テントのような機能をブラッシュアップして文字通り削ぎ落して軽くしているようなアイテムにも流行の傾向がある。キャンプ場の夕暮れ、晩御飯や焚火をするには時間が早い、手にはビール、見るのはケータイと山や木々、そして周囲のテント。ひとんちを品定め。
テントって構造、特徴がはっきりしていて、組み立ての工程や使い勝手を想像しやすい。畳んだときの重さや大きさも重要。色や形、夜に中からの光でほんわり照らされる様子もほっとする。
●一番ベーシックなのは袋状のキャノピーに対角に骨を張った構造。
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122370
ペグがなくても自立し、雨もはいらない骨は40センチほどの数本のパイプが、中のゴムロープでつながったカーボンもしくはアルミ製。パイプ同士の隣り合う先をはめると全体に均等にしなる長い棒になる。この畳める骨考えた人すごい。骨を曲げたテンションと布の立体的な張りを一体化させるのに、パイプの先端に布側のヒートン状のパーツを挿しこむ。骨の交差部をベルクロで固定。雨対策のフライシートをかぶせて、プラバックルで固定。ペグを地面に挿して全体形状のテンションを作り安定させる。フライシートと中のキャノピーとの空間は前室として靴や荷物が置ける。なんという合理的。
●3年ほど前か、MSRが素敵なHubba hubbaというテントを両端Y字+天井に近い箇所に短めの骨を追加して、天井が狭くない工夫をしたのが登場。ホネ先端のテンションが直接フライシートに当たるので、布素材自体のイノベーションがあったのだろう。
http://www.e-mot.co.jp/msr/tents.asp
●あとは鯉のぼり風円筒のとか。これはペグの打ち方にコツがありそう。
http://www.terra-nova.co.uk/
●トレイルランがメジャースポーツになってきて、ツェルトがエマージェンシーというよりUL(ウルトラライト、超軽量)アイテムとしてバリエーションが増えてきた。走行用のストックがツェルトのポールに使えるのだ。シルポンチョという雨合羽がそのまま居住空間になるのもある、integralとか。
http://www.toishi.info/link/zelt.html
http://moonlight-gear.com/?tid=2&mode=f6
●これも一度見かけた、小さいタープと蚊帳付きハンモック。中で着替えないなら軽量スマート。木を2本探して設営。腰痛にならないように、とか寝返りでず
れないように吊るコツとかあるのかしら。
http://www.aandf.co.jp/brands/hennessy_hammock
●この流れからかいわゆるティピー型、モノポールが出てきた。
http://www.lostarrow.co.jp/CGI/products/detail.cgi?seq=000311
仲間内でこのタイプを使っている人がいないので分からないのだが。中のポールをうっかりひっかけて倒さないのか、確かにポールは背が高いけど周囲はきゅうくつじゃないのか、立てるのが簡単なような難しいような(ポールの垂直さや設置面の平坦さ)、テントの裾から虫や雨を遮断する内側のキャノピーが別売りなので、不便割高な一方、土間にコット(簡易ベッド)とテーブルで欧風スタイルにも使える。なんだかカワイイですよね。
●たまにこういうのもある。2秒で建てられるというコピーのテントQuechua。オートキャンプなら普通ぽいコールマンよりこっちが楽しそう。
http://www.decathlon.co.uk/2-seconds-easy-2-uk-tent-id_8302227.html
衝撃のポップアップ! ファスナーで展開していく居住空間!
https://www.youtube.com/watch?v=q73THUIFq54
https://www.youtube.com/watch?v=X7h5RhRV9_8
https://www.youtube.com/watch?v=hxfHJAChdck
ワイヤーバネでボンと広がってるのか?畳むのにコツがいるようだ。
ファスナーであれこれくっつけたり、等身大レゴとかドッキングとか山に行かないで近所の公園で楽しめるんじゃないのか。
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買ってからも見てしまうテントの組み立て動画だそうで、ちょっと自動車やバイクに似ているのか。
うちも畳んでコンパクトタイプとゆったりオートキャンプの2個使い分けております。タープ(天幕)と組み合わせても家とまた違う、住空間の基本。ポケット、換気や明かり取りのメッシュウィンドウ、ポールの向きが一目で分かる色分けとかも気が効いてると気分が上がる。
まったく素人考えだが、今話題の東京オリンピック向け国立競技場立て替え案もコンクリートじゃなくて、骨構造とファブリックでできないのだろうか。東京ドームを見ていると(内部加圧だけど)まったくできない、ようにも思えないのだが。
https://www.tokyo-dome.co.jp/dome/facilities/construction.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/ミレニアム・ドーム
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