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女子デザイナーの歩き方 第67回 あけましておめでとうございます。このたび「女子デザイナーの歩き方」が電子書籍化されました! 本連載の57回までが上下2冊になりました! この機会に若い人、デザイナーじゃない人にも是非読んでもらいたい〜 よろしくお願いいたします。 amazon「女子デザイナーの歩き方」ダウンロードはこちらです ●電子書籍の作り方 そもそも電子書籍化したきっかけ: 日本ではまだ電子書籍は過渡期にあるが、pdwebの記事など過去のコンテンツをブック化したいし、やらない手はない、トライアル。 で、どうやったらいいのかネット検索ではまとまってなかったので、『Amazon Kindleダイレクト出版 〜完全ガイド 無料ではじめる電子書籍セルフパブリッシング〜』など"本"を買って研究。 主な作業は ・作る:EPUBという形式、CSSとHTMLでプログラムするような作業。またInDesignからEPUBに書き出せる、だけど罫線が非表示、レイアウトが崩れてる等、細々と反映されないこともあり、そこをコードでちょこちょこ手修正するような作業があるとのこと。ちなみにWordやHTMLもアップロードできるそう。当初は1冊丸ごとを1つのデータとしてしまい、重くて開けられなかったり、画像の配置もそれなりにトラブったりしたそうだ。これをAmazonにアップするとKindle Format(KF8)に書き出される。作業の途中にはKindleGenやPreviewerで確認。 目次は章や節の見出しを元に、自動的に生成される。実は目次が今回一番苦労した点だそうで、iPhoneなどkindle以外のビューアで見ると目次が使えなかった。原因究明はネットを検索して行ったそうで、HTML内に「目次の在処」を書くことで解決。 ちなみにiBookもEPUB、動画を組み込む自由度があったり、ちょっとリッチコンテンツ向け。 ・Amazonに上げる:まずアカウントを登録する。ロイヤリティの支払いを決める。その次が源泉所得税の減免申請を(Amazon.comのある)アメリカ国税局に行う。 アメリカ国税局から数日後に雇用者番号をもらえるので、それをアマゾンに知らせる。内容が正しいか審査後、源泉所得税の(日本とアメリカの租税条約があるので)二重支払いを免除完了。 そこで初めてコンテンツアップロード。(ここでも原因不明のエラーが発生することも)最大48時間の審査後にKindleストアに新刊としてアップ完了=発売開始。アップ日時は事前予告されないようなので気をつけて。あらーあっけないですね。 ●電子書籍と通常書籍を比較 ・書籍は独特の流通システムがあり、値引きなし、返品可能、ISBNコードで管理という特徴がある。 通常の書籍は流通経路を持つ出版社を通じて出版。でないとなかなか書店に置いてもらえない。http://www.isbn-center.jp/ それに比べて電子書籍は小さい企業や個人でも、流通システムに載せなくても全世界に向けて売ることができる。 ・Amazonへの支払いはなし、Amazonから出版作業に関する積極的なサポートやサービスはなし。一応Q&Aフォーラムとかあるんだけど、まだ日本でのユーザーは少なく、日米で仕様差もあるのであまり誰かを頼れない。規約もいつの間にか更新されてたりする。Amazonとの契約(印税率や定価など)も選べる。独占販売契約にすると、90日間の間に値引きや無料のキャンペーンを仕掛けることができる。 ・書籍は国会図書館に納本制度というのがある、日本の書籍すべてが保管されるのだ。 電子書籍にも納本制度はあるけど、まだ一部のみ。とはいえAmazonサイトに電子書籍は一度アップすると販売元が取り下げない限りはずっとダウンロードできる。 ・書籍の印税は本の定価の約5〜10%、紙代印刷代輸送費倉庫代など諸々乗ってくる。電子書籍の印税は35〜70%、あらまあすごいですね。 ちなみに雑誌の場合、ライターと出版社とは記事ごとに原稿料を支払う(著作権は創作者に帰属)のが一般的。ただし電子化などの2次利用が増えてきて、都度確認しているとか。 ・電子書籍のようでアプリのスタイルを取るものもある。雑誌やコドモ向けコンテンツなど。 んーDVDよりは受け身じゃないからオトナの後ろめたさも半減? iPhoneアプリは音声や動画などデジタルならではのミックスメディア感がありますね。 ●電子書籍の使い方 これを機に私もKindle Paperwhiteを購入。電子ペーパーもグレー階調が細かくなって、表示も速くなって、時代が進んだなあ。電子ペーパーの実証実験、東京駅に見に行ったなあ、2005年か。 個人的には白黒無反射が読み易く、紙に近い読み心地。プロダクトとコンテンツのなじみ具合もタブレット端末やケータイと違う、なんか「紙寄り」な質感を感じるし、"コンテンツ"ではなく、"文学"な気がする。 そりゃもう沢山の本だろうと、分厚い本だろうと、辞書も内蔵していて単語を長押しするとすぐ意味が分かる。近頃目が悪くなって本読むの億劫な傾向もあったんだが、電子ペーパーの表示文字量は割と好き。クラウド対応で外出時は携帯端末、家ではPCで続きを読んだりできるという先端技術の恩恵もある。 単語長押しでハイライト(アンダーライン)できるし、それをシェアや共有(twitterやfacebookで)できるし。 ちなみに「女子デザイナーの歩き方」も掲載時と同じく、関連サイトにリンクされています。 有名人の本棚セットやどこにハイライトしたかをシェアとか販売とか手軽に展開できそうな可能性を感じる。 確かに新刊はまだ不揃いだけど、スタンダードな文学や物理的に置きたくない本、読んだつもりで内容忘れた本、半ば挫折した本は結構あるので、現在読みたい本は結構あるのです。 従来の本の、使い勝手や手触り、めくる感じ、たたずまい、1ページごとのレイアウト、フォントの表現力など、本ならではだと思う。Webのライブ感ある便利さや動画音楽のフレキシビリティ、リンクを渡っていく(まさにサーフィン)感覚も何にも代え難い。 単純に「置き換わる」のではなくそれぞれの良さで当面は共存していくのでしょうね。
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