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女子デザイナーの歩き方 第123回(2018年9月4日掲載)
テーマ:作業の場をきもちよく
moviti/片山 典子

[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。2010年独立、3D CADでプラスチック製品から布製品、ソファやモダン仏壇の木製品、クラフト系などネーミングやロゴ込みでいろいろ手がけている。趣味はフリークライミングとバスケットボール、旅行。
http://moviti.com/moviti_nori


このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。


私も整理整頓、苦手です。今使っていたハサミとガムテープどこ置いたっけ? ここにしまってたはずの金ヤスリはどこ? 絵を教えている大学の教室が散らかり気味、紙くずやペットボトルが散らかる。その場でぱっと拾ってゴミ箱に入れたらいいのに。人間ほっておくと散らかしていく本能なのか。

いつもお世話になっている北匠工房は作業場の清々しさにも定評がある。先日工場長の豊口さんが以下のURLをfacebookに投稿した。
http://hokushokobo.co.jp/hokushomind/

見るだけで整理整頓のモチベーションが上がるサイトである。手作業のある工場に行くと道具が整然と並んでいるのを見るのもウキウキする。”作業場を使いやすくする”具体的な工夫のヒントが無いか豊口工場長にメールで訊いてみた。

Q:工房で働く皆さん、学校で木工を学んだ時に、整頓も仕事として一人ひとりが身につけるのですか?
A:学校で木工を学ぶ時に整理整頓と大きく工場に貼ってありましたね、良く工事現場などにも会ってある感じです。モノ作りの基本として整頓して作業することは教えられました。

Q:月1回の作業改善ミーティング、道具や作業場の配置や整頓の提案など行っているのですか?
A:月1回の工場改善では整頓に限らず、作業効率のカイゼンや品質向上が道具の置き場を考え直したりなど、工場で快適に作業できるようになることであればOKとしています。

Q:Webサイトにある「#02 美しい道具が、美しい家具を生む。」の動画には切削機械の刃のラックが数タイプ出てきますが、どんな収納法がいいか、皆で考えるのですか? 工具キャビネットの取っ手で面白い形状のが出てましたが”試してみよう”も盛り込んだ例ですか?
A:どんな収納法がいいかなどはここで考えて作ります。ただ発表した時に意見が出て変更することはあります。取っ手の形状などは商品のジグなどを刃物変えて加工したりしています。

Q:捨てるに忍びない端材やサンプル、どう保管してますか?
A:端材は不定期ですが処分するようにしています。もったいない精神でどんどん溜まると作業スペースを減らし、物を探すという作業が生まれてしまいます。

Q:図面とか治具とか、使わないうちに死蔵しがちな物はどう管理してますか? 定期的に捨てるのかアーカイブするのか。
A:図面やジグは廃番商品にならない限り捨てることはありません。ただジグが改善されたときは古いタイプのは捨てます。

Q:整頓術は工場以外のプライベートにも応用してますか?
A:実はプライベートでは整頓ヘタです(笑)。工場で働いている時の緊張感をプライベートでも持たないとダメですね。

Q:「#03 整った現場は、意識をも整える。」の動画の中でも”道具を使ったら戻す”など工夫が見られましたが、ずばり整頓の極意とは?
A:ずばり整頓の極意は「溜めないこと!」だと思います。後回しにすればするほと腰が重くなるので。例えば道具も使い終わるたびに片付けます。機械も使用語必ずそうじをします。慣れると自然なことになります。

Q:作業場を綺麗にすることの他、工場長としての思いがあれば。
A:「段どり八分」という言葉がありますが、段どりの中に整理整頓が入ると思います。就業時間の片づけは翌日の段どりになると思っています。メンバーの個性はみんなばらばらですが、ばらばらだから成り立っていると思います。個性を生かして苦手を減らすことが自分の役目だと思っています。


ううむ、割と王道な答えが返ってきた。みんなでやるからはかどるというのもあるな。
デザインの教室でも「整理整頓」と貼ってあったとしても効果あるのかな。刃物が無くて慎重、緊張感がない、ということか。

まあ標語が貼ってある教室というのがしっくりこない、とはいえデザイン-クリエイティブ-奔放-散らかす、という曖昧なイメージに甘えてるのか。集中力の反動で周囲に注意が配れないのか。

ダラダラ作業しないで切り上げて掃除してるうちに身につくかな。若いうちは掃除ってやらされる作業に思っているが、だんだん自分に返ってくると実感するし。

道具は使ったら戻す、メンテする、補充する、溜めない、整理整頓も段取りに含める、未来の自分が作業しやすいように。あんまり神経質になりすぎても長続きしないが、心がけます。


 


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