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女子デザイナーの歩き方 第116回(2018年2月5日掲載)
NZに行くとこういう問題解決もあるなあと思う
moviti/片山 典子

[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。2010年独立、3D CADでプラスチック製品から布製品、ソファやモダン仏壇の木製品、クラフト系などネーミングやロゴ込みでいろいろ手がけている。趣味はフリークライミングとバスケットボール、旅行。
http://moviti.com/moviti_nori


このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。


正月明けに2度目のニュージーランドに観光に行ってきた。自然がいっぱい南島下半分2,500kmを9日間ドライブ旅行。諸々解決のアプローチが日本と違っていて、私はNZの折り合いのつけ方が共感できるところもあり。

*自動車、道路
英国、日本と同じ右ハンドル、左通行、マイルじゃなくてkm、ガロンじゃなくてリットル。ランナバウトやビーコンがある。山中の橋の幅が車1台ぎりぎりで対面で相互通行。大きな街でないと信号機がない。当事者同士でうまくやって、というところか。かなりカーブの山道でもガードレールや街頭もなく、急坂の向こうがどうなってるか見通せないジェットコースター風味、窓の外の大平原感が半端ない。

高速道路がない、幹線道路は片側1車線の対面がずっと続き、街の手前で50km制限、街を出ると100km制限に標識の制限速度が変わる。キャンピングカー、牽引用の金具を付けた自動車が多い。

道路が高架でなく、大平原にぺたんと薄いテープのように道路が張り付いている感じ。日本の高速道路は暮らしのある土地をすっ飛ばして通り過ぎる感じだが、NZは暮らしの場に突入して抜けていく感じ。日本の山のように崩落防止でコンクリートで固めたりネットを張ったりしない。自動車道脇に”この先2kmカフェ”とか文字だけ標識のような看板、日本のようにでかくてくどくて目立つのはない、そもそも看板のフォントの字組がすっきり整って可読性が高い。
https://www.newzealand.com/jp/driving-in-new-zealand/


*自然を大切に
固有種が多いので自然を守る意識が高い。空港でアウトドアグッズの有無を申請、トレッキングシューズの裏に泥が詰まってないかチェック(詰まっていたら洗ってくれる)猫ですら害獣気味に語られる。キウイなど珍しい鳥はキウイバードライフパークで見れるが、そこそこの固有種な鳥やアザラシは意外とあちこちで見かける。

NZ商品もキウイ、ペンギン、羊とかキャラの立った動物っぽい。最近の推しはタカへ、プケコのようだ。本当に好きみたいだ、まあニホンザルや丹頂より可愛いし、おとぼけアレンジが似合う。
http://kiwibird.co.nz/kiwi/
http://newzealand-diary.com/archives/1993
https://www.globalculture.co.nz/

国旗の候補になるくらいシダのモチーフも多い。
http://naturenz.net/?p=1700
http://www.huffingtonpost.jp/2014/09/09/nz-milford-track-_n_5789098.html

ミルフォード・トラック、世界一美しい散歩道だそうだ。豊かな原生林、山にはさまざまな苔やシダが茂り、滝があったり登山道脇に小さい流れがあり瑞々しい。

登山道には迷わないように数メートルおきにオレンジ三角のプレートが貼ってあり、登山口には登山コースの説明看板があるが、景色の美しい目的地には売店、ゴミ箱、自販機、看板、目障りな人工物はまったくない。 自分たちの強みは自然をリスペクトすることだと早々に決めたのか。

自然のまま生かす。英国のナショナルトラストな保護活動の影響か。人間の快適のために人工物を作るのは最小限にしているみたい。
大都市以外は高層ビルがなく、どこも2~3階建て止まり。地方都市には意外と19~20世紀初頭の建築があり、今も使われている。
*エネルギーとかエコとか
https://nzlife.net/archives/10657
 
このサイトには7割が再生可能エネルギー発電とあるけど、変電所っぽいのは見たけど、紫外線が強いから太陽光パネルが大平原に並んでいるかと思ったらまったく見なかったし、ダムも風力発電プロペラも見なかった。 目立つ再生可能エネルギーアイテムが見当たらなかったのだ。自然を魅せる観光地と徹底的に分けてるのかな。

家庭用でも高電圧(240V)なので安全装置としてコンセントにスイッチが付いている、待機電源を簡単にOFFできる、結果オーライでエコだ。電子レンジもスピードアップだがプラグもコードもぶっとい。 あちこちに4色の蓋のゴミ箱がでーんと置いてあり、つい分別を意識させる(割に紙と缶が同じ箱だったり大雑把)
http://blog.livedoor.jp/tabinz/archives/7618023.html

*人種に寛容 ゆとりがある
地名も人種もマオリとイギリス人が混ざっていてアジア人でも住みやすいのか。がしがし働いているがあんまり無理したりあくせくしてる感じがない。スーパーはだいたい21時まで、でもレジの姉さんが疲れきってないというか、プロっぽいが冷淡ではない印象。
http://nz-mannkitsu.blog.so-net.ne.jp/2015-09-09

テレビでマオリ語教育チャンネルがあった。少数民族的な扱いでなく、拠り所的文化に光を当ててる。
https://nzlife.net/archives/11418

10ドル札の肖像は世界初の女性議員。
日本の7割の国土面積に人口500万人(人口密度17.5人)、わたくし個人的にはコミュニティとして意見を共感しあえるのは500万人ぐらいが丁度じゃないかなあと思っている。かと言って視野の狭さは感じない。ワーホリで多様性もあるし、若者も多い。
http://nz-ryugaku.com/working-holiday/visa.html

17世紀の大航海時代に見つかって19世紀にイギリス人が移住して、第二次大戦後に独立国家になった新しい国だからしがらみがない、新しい解決法を試してみような気持ちがあるのかな。ゆるい決まり+各自でその場の当事者同士で考えろ、みたいな。

 


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