 
大谷和利
テクノロジーライター、原宿AssistOn(www.assiston.co.jp)アドバイザー、自称路上写真家。Macintosh専門誌、Photographica、AXIS、自転車生活などの誌上でコンピュータ、カメラ、写真、デザイン、自転車分野の文筆活動を行うかたわら、製品開発のコンサルティングも手がける。主な訳書に「Apple Design日本語版」(AXIS刊)、「スティーブ・ジョブズの再臨」(毎日コミュニケーションズ刊)など。アスキー新書より「iPodを作った男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス」が好評発売中 |
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iPhone 3Gにも完全なGPS機能が付き(初代モデルの位置情報は、携帯基地局とWi-Fiスポットマップから割り出されていた)、これでGoogleマップの経路探索も完璧と思ったのだが、実は日本国内ではグーグルが運転経路の情報を保持していないらしく、経路探索がサポートされない。
そこで、徒歩、自転車、ときには自動車でナビゲーション機能が必要な場合には、PNDのガーミン「nuvi 250」を利用している。
PNDとは、パーソナル・ナビゲーション・デバイスの略で、通常のカーナビよりも小型のフラッシュメモリベースのナビゲーション機器を指す。フルスペック製品ほどの機能はないものの、一般利用には必要十分な仕様を持ち、携帯可能で価格も安価なため、販売数が伸びているジャンルである。
なかでもガーミン社のnuvi 250は、PND分野において世界シェアNo.1の製品で、フルタッチパネルインターフェイスとシンプルで直感的な操作性が特徴だ。ガーミン自体は日本語版を提供していないが、以前から同社製品のローカライズを手がけてきた「いいよねっと」が、ゼンリン(地図データ)やオムロンソフトウェア(日本語変換)の協力を得て日本語化したものが国内販売されている。
携帯できるナビゲーション機器に早くから興味を持った筆者は、GPS携帯のように使用時に課金されるものは敬遠してきたが、CD-ROMベースのポータブルカーナビやトレッキング用のハンディナビまでも試したことがある。そして、現時点で自分の目的に一番即した製品と判断し、このnuvi 250を購入した。
nuvi 250の弱点としては、通過地点の記録、いわゆるログデータがとれないことにあり、例えば旅の記録をコンピュータのマップ上に重ね合わせて楽しむようなことはできない。個人的には、ナビゲーション機器が充実していれば問題ないので、ログ記録がサポートされない点は障害とはならなかった。


世界で最も売れているPNDと言われるガーミン社のnuvi 250は、フラッシュメモリベースで手のひらサイズを実現した。画面は感圧式タッチスクリーン
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本体上部にある電源スイッチはスライド式。スライド方向が左だとオン/オフ、右だとロックモードになり、タッチスクリーンによる誤操作を防ぐ
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デザイン的に見ると、まず、操作系をタッチスクリーンに集約したために外装はシンプルで、スライド式の電源スイッチ以外にはスイッチ/ボタン類を持たない。また、誤操作を防ぐために電源スイッチには、タッチパネルが反応しなくなるロックモードも設けられている。
本体はシルバーメタリック(淡いピンク系のバリエーションもある)だが、スクリーンの周辺にガンメタリックの枠を配し、画面とのコントラストを際だたせて表示を見やすくする工夫もある。
インターフェイスは、モーショングラフィックを採り入れたiPhoneのような流麗なものではなく単純な階層構造だが、小さな筐体にさまざまな機能を盛り込む際のタッチ方式の有効性を同様に示している。感圧式のタッチスクリーンは十分な応答性を持ち、表面を指でなでた程度では動作しない点が、かえってこの種の機器の操作状況には合っているといえる。
電源は、内蔵充電池とミニUSB端子による給電の2ウェイ方式。内蔵充電池は、iPodやiPhoneのように固定式で、ユーザーによる交換はできない。音楽プレーヤーのようには頻繁に使うものではなく、バッテリ駆動でも連続作動で4時間程度は持つため、日常使用には十分だが、いずれ寿命がきたときにショップなどに交換を依頼することになる点は少々面倒だ。
SDカードスロットも備え、コンピュータからコピーしたJPEG画像の閲覧や、簡易電子ガイドブックのビューワ、拡張地図機能などに対応する。また、ここでは実際のスクリーン上での画像の見え方が分かるように実機画面を撮影しているが、スクリーンのイメージデータをメモリに保存するスナップショットモードも備わっている。


背面には、充電とデータ転送機能を兼ねるUSBのスモール端子。側面にはSDメモリカードスロットを備える
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nuvi 250は、徒歩、自転車、自動車の3種のナビゲーションモードを持つ。これは自転車に取り付けたところ。屋外でも直射日光下でなければ十分な視認性があり、日が当たっていても角度の調整で実用的に使える
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標準パッケージには自動車のガラス面などに吸着できるマウントキットが同梱されるが、自転車への装着にはオプションパーツが必要。写真は純正パーツだが、より自由度の高いサードパーティ製品もある
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「目的地検索」と「地図」のみのシンプルなトップメニューから検索モードに入ると、住所、電話番号、名前入力などの検索方法別ボタンが現れる
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自転車用マウントもオプションやサードパーティ製品の形で用意されているが、本体は非防水で、特に耐ショック仕様でもない。PNDという製品の性格を考えると、最小限、防滴設計であってもよいようには思う。特にSDカードスロットは、開口部がそのまま露出しており、注意が必要だ。
検索データは、住所ベースで2000万件、電話番号ベースで800万件と一般用途には十分。その代わり、カーナビの華麗な3D表示に見慣れた目からは、地図の表示が素っ気なく感じられるかもしれない。このあたりの割り切りは、いかにもアメリカの実用機といった印象だが、現実にそれで困るということもない。
電子磁石やジャイロセンサを搭載しないことから、GPS衛星感度の低いところや走行速度が低い場合には時に迷走もするが、空がある程度開けていれば精度も実用的だ。
地図表示は、2Dのトラックアップ(常に進行方向が上)、同ノースアップ(常に北が上)、3Dのトラックアップの3通りを選択できる。好みにもよるが、土地勘のある場所のナビは地図をイメージしやすいノースアップ、一般的なナビ走行では進行方向が分かりやすい2Dのトラックアップ、自転車散歩的にリラックスした走行中は3D表示と使い分けてもよいだろう。
個人的に重宝しているのは、銀行やコンビニ、ガソリンスタンド、パーキングなどを現在地から近い順にリストアップし、ナビゲートしてくれる機能。カーナビでも実現されているが、これが徒歩や自転車走行時にも利用できるのは、本当に便利である。
ナビゲーション主体でトラックログが不要ならば、製品企画、デザイン、操作性、コストなどのバランスがとれており、合目的的なまとめられ方がされた製品の好例といえるだろう。


名前入力は、50音表示のソフトキーボードで行う。このモードでの検索は、初期バージョンではかなり時間がかかったが、ファームウェアのアップデートで改善された
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通常の利用では、住所もしくは電話番号からの検索が早い。住所は、文字入力ではなく、選択肢をたどって範囲を狭めていく方式
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現在地から直近のコンビニや銀行、ガソリンスタンドなどを探す機能は高速で便利。見知らぬ街で、喉が渇いたり、現金が必要だったり、ガソリンの補給が求められる場合に活躍する
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ナビ機能も、DVDナビやHDナビに比べればシンプルだが、音声誘導などもあり、実用性は十分といえる
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疑似3D的なパース付き表示も可能。加えて、2Dのトラックアップ(常に進行方向が上)、同ノースアップ(常に北が上)、3Dのトラックアップ表示が設定できる
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付帯機能として、通貨レートや単位コンバータ、世界時計が用意されているのも、全世界での利用を意識した携帯型のアメリカメーカー製品ならではといえる
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