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コラム

モバイルデザイン考 第111回 (2017年7月14日更新)
特別企画:TinkerCADで3D CAD事始め
第4回 既製データをカスタマイズして名前入りイヤフォンラップを作る


”3D CADの超入門記事”の第4回目です。デザイナー予備軍の方もCADに乗り遅れたプロの方もぜひご一読ください。著者の大谷氏は自身でモデリングして3Dプリンタで造形したミニ四駆で競技に参加しています。今回は既存の3Dデータを活用してカスタマイズを行います。工程順に一緒に作業してください。

photo[プロフィール]

大谷和利
テクノロジーライター、AssistOn(www.assiston.co.jp)アドバイザー、自称路上写真家。Macintosh専門誌、Photographica、AXIS、自転車生活などの誌上でコンピュータ、カメラ、写真、デザイン、自転車分野の文筆活動を行うかたわら、製品開発のコンサルティングも手がける。主な訳書に「Apple Design日本語版」(AXIS刊)、「スティーブ・ジョブズの再臨」(毎日コミュニケーションズ刊)など。講談社現代ビジネスブックより「成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか 一枚の写真が企業の運命を決める」、三省堂より「ICTことば辞典:250の重要キーワード」(共著)、宣伝会議より「ビジュアルシフト」(監修)が好評発売中

イラスト
▲TinkerCADによるモデリング例。(クリックで拡大)


●3Dデータサイト「Tingivers」を活用する

今回は、箸休め的に、「Tingivers」にある既製のイヤフォンラップ(イヤフォンコードを巻きつけ、絡まることなく持ち歩けるようにするケーブル・マネージャ)のデータに手を加えて名前を入れ、自分用にカスタマイズする手順を説明する。

この方法は、スマートフォンケースなど、公開されている他の3Dデータにも適用できるので、手間をかけずに自分や家族のためのアイテムを用意したい場合などに便利である。

●既存の3DデータをTinkerCADにインポート

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▲まず、元になる3DデータをThingiversからダウンロードする。ここでは骨の形をしたイヤフォンラップを利用することにした。(クリックで拡大)



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▲"Thing Fileas"のタグをクリックすると、ダウンロード可能なファイル一覧が表示される。ここでは1つしかないので、"dogbone.stl"をクリックしよう。通常は、ダウンロードフォルダに保存されるはずだ。(クリックで拡大)



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▲TinkerCADに新規プロジェクトに適当な名前をつけ(ここでは、"EarPhoneWrap"とした)、「インポート」をクリックする。(クリックで拡大





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▲すると、シェイプをインポートするためのダイアログが現れるので、「ファイルを選択」をクリックする。(クリックで拡大)



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▲先ほどの"dogbone.stl"を探して選択すると、TinkerCADのダイアログにファイル名や寸法などが表示されるので、「インポート」をクリックしよう。(クリックで拡大)



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▲インポートしたシェイプが、このように作業平面の中央に現れる。(クリックで拡大)





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▲シェイプを選択し、文字入れが行いやすいように、90度回転しておく。(クリックで拡大)



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▲シェイプを拡大表示するために、「ビューを選択項目に合わせる」アイコンをクリック。(クリックで拡大)



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▲続いて、「基本シェイプ」の文字をクリックしてプルダウンメニューを呼び出し、パレットを「文字」に切り替える。(クリックで拡大)




●利用したい文字を編集する

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▲そして、最上段の左側にある赤い"TEXT"を作業平面にドラッグする(実際には、基本シェイプの中にも、同じ"TEXT"が存在しているが、ここでは文字パレットを表示する練習を兼ねて切り替えている)。(クリックで拡大)



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▲文字のシェイプが選択状態にあると、その属性を変更するためのフィールドが表示されるので、"TEXT"の文字を適当な名前に変更する。ここでは、"PDWeb"としたが、自分の名前など、他の文字列にした場合には、それに合わせて、続く説明を頭の中で変換しながら作業を進めることになる。(クリックで拡大)



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▲この文字を、先ほどのシェイプに重ねて切り抜くのだが、このままでは"P"、"D"、"e"、"b"の文字に「穴」の属性を与えたときに、抜けている部分が一体ではプリントされずに分離されてしまう。そこで、ステンシルの文字のように、切り欠きを作ってひとつながりになるようにしておく("PDWeb"の代わりに自分の名前などを入力している場合、切り欠きを作るべき文字が違ってくるので注意されたい)。そのためには、文字のシェイプパレットを再び基本シェイプに戻し、透明のボックスを"P"の文字のあたりまでドラッグする。(クリックで拡大)





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▲微調整のため「グリッドにスナップ」をクリックしてポップアップメニューを表示し、「オフ」を選択する。(クリックで拡大)



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▲透明ボックスが選択されている状態で、キーボードの矢印キーを押して、ボックスの左の面が"P"の縦棒の右の面にタッチしたところで止める。タッチしたかどうかは、透明ボックスの側面が"P"の色と混じって、えんじ色に変わることでわかる。(クリックで拡大)



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▲そこから、キーボードの右矢印キーを1回だけ押して、ボックスをごくわずかだけ"P"の縦棒から離す。こうすると、"P"の縦棒に影響を与えずに、切り欠きを設けることができる。(クリックで拡大)





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▲グリッドにスナップの単位を「1mm」に戻しておく。(クリックで拡大)



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▲透明ボックスの幅を適当なところまで狭める。(クリックで拡大)



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▲透明ボックスの上の面が"P"に触れていたら、適宜、離れるように縦方向の長さを縮める。(クリックで拡大)





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▲透明ボックスの位置極めやサイズ変更が終わったら、透明ボックスと文字シェイプを両方とも選択状態にし、「グループ化」のアイコンをクリックする。(クリックで拡大)



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▲すると、"P"の抜けた部分が孤立せずに外側とつながるようになる。(クリックで拡大)



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▲同様に、"D"、"e"、"b"の矢印部分についても、個々に透明ボックスを使って切り欠きを設けておく。(クリックで拡大)






●文字シェイプの属性を「穴」に

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▲切り欠きを入れ終わったら、文字シェイプの属性を「穴」に切り替える。(クリックで拡大)



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▲文字シェイプをイヤフォンラップのシェイプと重なる位置まで移動し、縦横をバランスの良いサイズに調整する(文字が"PDWeb"の場合には、縦10ミリ×横39ミリ程度がちょうどよかった)。(クリックで拡大)



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▲重なったシェイプを真上から見ると、このような感じになる。(クリックで拡大)





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▲バランスの確認後、文字シェイプとイヤフォンラップのシェイプを両方とも選択し、「グループ化」のアイコンをクリックする。(クリックで拡大)



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▲これで、名前入りのイヤフォンラップの3Dデータが完成した。(クリックで拡大)



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▲斜めから見たところ。出来に満足したら、データをエクスポートしておこう。(クリックで拡大)






●3Dプリンタで打ち出して完成

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▲実際に3Dプリントされたイヤフォンラップ。(クリックで拡大)



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▲イヤフォンを巻きつけると、このようになる。(クリックで拡大)









こうした文字入れは、切り欠きを作ることさえ忘れなければ、TinkerCADで簡単に行うことができるので、応用も効きやすい。他にもThingiversなどで気になるデータがあれば、カスタマイズしてみるとよいだろう。



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