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モバイルデザイン考 第107回 (2017年3月27日更新)
優雅に水に浮くおたま
「Swanky」


優雅なフォルムと、鍋の中でも外でも自立するという機能性を両立させた”おたま”。このキッチングッズ「Swanky」を作ったのがイスラエルのオトトデザインだ。

photo[プロフィール]

大谷和利
テクノロジーライター、原宿AssistOn(www.assiston.co.jp)アドバイザー、自称路上写真家。Macintosh専門誌、Photographica、AXIS、自転車生活などの誌上でコンピュータ、カメラ、写真、デザイン、自転車分野の文筆活動を行うかたわら、製品開発のコンサルティングも手がける。主な訳書に「Apple Design日本語版」(AXIS刊)、「スティーブ・ジョブズの再臨」(毎日コミュニケーションズ刊)など。講談社現代ビジネスブックより「成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか 一枚の写真が企業の運命を決める」、三省堂より「ICTことば辞典:250の重要キーワード」(共著)、宣伝会議より「ビジュアルシフト」(監修)が好評発売中

イラスト
▲「Swanky」。(クリックで拡大)

●利便性を高めた最新のキッチングッズ

最近では、自立するしゃもじや、箸置きなしでも先端がテーブル面に触れない箸など、形状や構造の工夫によって利便性を高めたキッチングッズがいくつか存在する。

鍋とともに使うおたまにも、縁に引っ掛けられるようなフックが付いたり、柄の途中に球状の空気溜りを設けて浮くようにしたものはあるが、デザイン的にはややエレガントさに欠け、条件次第では機能を満たせないこともあった(たとえば、後者の構造では、鍋の中の液体が少ないと倒れてしまう)。

これに対して、優雅なフォルムと、鍋の中でも外でも自立するという機能性を両立させた製品、それが今回採り上げたイスラエルのオトトデザインによるSwanky(19ドル)である。

同社は以前から、底面の4つの突起によって鍋底に自立するネッシー型のおたまも発売していた。Swankyでは半球状の底面と低い重心の組み合わせによって、おきあがりこぼし的な機能を実現しつつ、全体形状をスワンに見立ててまとめている。

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◀Swankyは白鳥と黒鳥の2色展開。おきあがりこぼし的に、テーブルの上などでも自立する。(クリックで拡大) photo ◀このように液体が入った状態の鍋の中では、水面上に安定して浮くことができる。(クリックで拡大)

頭部は、単にスワンの首を模しているだけでなく、吊るして収納することも考えた形状となっている。

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◀それなりにリアルな造形の頭部は、調理道具などを吊るすキッチンのフックやポールなどに引っ掛けておける形状になっている。(クリックで拡大)

また、半球形のカップ部分と柄の部分では表面の質感を変えており、それぞれの役割に適した状態に仕上げられている。

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◀この角度からは柄の部分の質感が途中で変化していることが分かる。手で持つところは滑りにくいようにシボ加工がされているのに対し、液体をすくう部分は滑らかな仕上げだ。(クリックで拡大) photo ◀メーカー名(URL)は、この位置にモールドされている。(クリックで拡大)

ただし、これが日本製であれば、もう少し精度が高められたであろうディテールも散見される。

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◀成形後の樹脂の引けなどのためか、重りが埋め込まれていると推定される底の部分の曲率がわずかに変わっていることが陰の付き方の変化で見てとれる。(クリックで拡大) photo ◀モールドラインにより、柄の部分は左右、半球部分は上下に分かれる金型によって成形されていることが分かる。日本的な基準では、精度はさほど高くない。(クリックで拡大)

もちろん、実用上は問題なく、重りを内蔵したことによる重量増も最小限に留まっている。それ以上に、見た目の楽しさと機能性を両立させた努力を評価したい製品だ。

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◀安定した浮きを実現する機構上、一般的な金属のおたまと比べてもやや重めだが、使う上での支障はない。(クリックで拡大) photo ◀パッケージもきれいに作られており、製品の訴求ポイントが一目で分かるようになっている。(クリックで拡大)






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